プロフィギュアスケーターの羽生結弦さん(31)が座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata 2026」は7日、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで開幕した。11日で東日本大震災発生から15年。

「より一層、『輪』を『絆』を感じられるように」と願いを込めた。坂本龍一さんが音楽監督を務めた東北ユースオーケストラと初共演し、2つの新演目を含む4曲を披露。満員の6500人の観客の前で8か月ぶり復帰した羽生さんの、現地での一問一答前半。

 ―お疲れ様です。

「ありがとうございました」

 ―久しぶりに皆さんの前での演技だった。

 「もうすごい緊張しました。この緊張感というか、やっぱり期待をすごく浴びながら、それに応えたいという気持ちがものすごく強く強くあふれていたので。自分の手足が本当に震えるほど、緊張はしたんですけれども。思いも、そして技術も、ちゃんと込めて滑れたかなとは思います」

 ―震災からまもなく15年。どういう思いで演技を。

 「15年経って。自分自身の、その悲しみや傷への向き合い方だったり、付き合い方であったり、そういったことを、ちょっとずつ理解しながら前に進んできたつもりです。

この15年という時があったからこそ、今、逆に傷に向き合おうという気持ちも出てきたり、逆にあれがあったからこそ、今こうやって学んで生きているんだ、強く生きているんだということを、何か表現したいと思って『Happy End』は特に、振り付けを自分でしていきました」

 ―被災地のへの思いは、この15年でどんな変化があった。

 「正直、なにかが大きく変わったなということは、正直自分の中ではないです。15年っていうのは、ある意味何か、人間的には5の倍数って節目を感じやすい数字ではあるんですけれども。確かに、福島であったり、宮城もそうですし、岩手も。復興が進んだところは進んだし、コミュニティが復活しているところもあると思います。ただ、そのまま取り残されている地区だってありますし、復興してきたよっていう中にも、何か中身をのぞいてみたら全然復興していないというか、元に戻るわけではないので。そういった意味ではずっとずっと、応援し続けたいなという気持ちと、自分自身も、被災した傷であったり、トラウマみたいなものも、やっぱりずっとずっと抱え続けていくべきなんだなということを、何か理解して付き合えるようになったかなというふうには思っています」

 ―「Happy End」に込めた思いは、どういった解釈をして演技したものだった。

 「めっちゃ苦しいっていう感じです。ひたすら。僕自身が持っているプログラムの一つで『天と地のレクイエム』っていう楽曲があるんですけど。それはどちらかというと、震災に直接気持ちを寄せて、当時の瓦礫の道であったりとか、あとは空港の、周りの車とか、瓦礫がいっぱい積んであるような道を、見渡しているような光景みたいなことを何か表現しながら、そこに一つの魂がみたいな感じで思ってたんですけど。今回は、何か自分自身の体がむしばまれていったりとか。

もちろん、坂本教授の、坂本龍一さんの曲なので。この曲を書いた当初が、ずっと病に蝕まれていた頃だったとお聞きしていたのもあって。何か自分が、震災という傷であったりとか、被災地、宮城県、仙台もそうですけど、ちょっとずつちょっとずつ復興は間違いなくしてるんですけど、ちょっとずつ残っている傷痕であったりとか、僕自身がアイスリンク仙台で滑るときに残っている、その壁の傷であったりとか。補修されているけれども、見える傷、みたいなものを少しずつ感じながら。それにまたむしばまれながら、自分が苦しんでいるけれども、最終的には、その傷も全部自分なんだって受け入れながら、演技が終わった後に、次があるよって思えるようなプログラムにはしたつもりです」

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