◆プロボクシング ▽東洋太平洋スーパーフェザー級(58・9キロ以下)タイトルマッチ10回戦 〇王者・波田大和(5回TKO)同級6位キム・テソン●(3月7日、東京・後楽園ホール)

 東洋太平洋スーパーフェザー級王者・波田大和(29)=帝拳=が、挑戦者の同級6位キム・テソン(29)=韓国=を5回TKOで下し3度目の防衛に成功した。

 波田は5回、左の強打でダウンを先取すると、再開後も連打をまとめて右ショートフックで再びダウン。

レフェリーはノーカウントで試合をストップした。隣接する東京ドームでは、WBCで熱戦が繰り広げられていた。同じ日韓戦となった後楽園ホールのメインイベントで、侍ジャパンより一足先に、豪快な一撃で勝利を飾った。

 リング上では「みなさん、本当にありがとうございます。率直に、いろんな人に救われて、ありがとうございますの一言です。たくさん喋るより、自分の気持ちを、声とか表現で感じてもらえたらと思います」と第一声。支えてくれた帝拳ジムのスタッフの名前を挙げ、涙をこらえながら「いっぱいしゃべりたかったけど、目元から熱いものが流れそうなんで、終わりです。ちょっと進化したというところを見てもらいたかった。これからも波田大和、よろしくお願いします」と四方に頭を下げて感謝を示した。

 昨年8月2日、引き分けで2度目の防衛に成功して以来、7か月ぶりのリングだった。対戦した神足茂利さん(M・T)は、同月8日に急性硬膜下血腫のため28歳の若さで亡くなった。波田はこの日、神足さんのロゴが入ったTシャツを着用して入場。

勝利を決めると真っ先に、応援に駆けつけていた神足さんの兄・昌冶さんの方を向いて勝利を報告した。

 試合後の控室では、「乗り越えたというより、周りのみんなに乗り越えさせてもらった。みんなアツすぎるんですよ」と周囲の支えに感謝。「リング上のインタビューも途中で感情的になりそうだったんで止めちゃったんですけど、それが答えかな」と話した。

 昨年8月の試合後は、「正直、やめようと思いました」という。それでも「ビビるぐらい自分だけが時間止まっていて、みんなが動いてました。ボクシングやりながら時間を進めようと思っていたので、やりながら進められたのかな」。一度は止まりかけた時計の針が、多くの人々の思いを乗せて、再び力強く動き出した。

 戦績は波田が18勝(17KO)2敗1分け、キムが13勝(9KO)4敗2分け。

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