◆WBC 1次ラウンドC組 韓国4―5台湾=延長10回タイブレーク=(8日・東京ドーム)

 熱い滴がキャプテンの頬を伝った。延長10回タイブレークの末、台湾が韓国に競り勝った瞬間、主将の陳傑憲は仲間と抱き合い、大粒の涙を流した。

海を渡って応援に来たファンで、東京ドームはこの日も超満員。会見場の陳は熱烈な応援に、感謝の言葉を口にした。

 「勝って涙が出てきた。ファンの皆さんから『頑張れ』という声が届いた。東京ドームが私たちのホームになった。私もファンの皆さんも、あきらめなかった」

 死闘だった。台湾打線は韓国投手陣に3発を浴びせ、4-4で無死二塁からの延長タイブレークに突入。陳は二塁走者の代走としてグラウンドに向かった。

 5日のオーストラリア戦で死球を受け、左手人さし指を骨折したばかり。だが犠打が決まると、三塁にヘッドスライディングを敢行し、野選を呼び込んだ。続くスクイズでは決勝のホームを踏み、チームを勢いづけた。

 「小さな頃からWBCの試合を見ていた。

そのナショナルチームのユニホームを着られて、使命感に燃えていた。運と実力があって、韓国に勝てた。素晴らしい相手と戦えたことに感謝です。誇りに思います」

 相手への敬意を忘れない点も、リーダーらしかった。

 C組の5チームで唯一、1日も休みがない過酷な4連戦に臨み、2勝2敗で終えた。「小さい台湾だが、国際大会で負けたくない気持ちは変わらない。実力があることを示していきたい」と陳。確かな手応えを胸に、魂を燃やしたビッグエッグを後にした。(加藤 弘士)

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