◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 先月、ミラノ・コルティナ五輪が閉幕した。本大会だけでなく日本代表の選考過程も取材し、様々なドラマを間近で見た。

惜しくも代表を逃した中で、フィギュアスケート女子の渡辺倫果(23)=三和建装・法大=が強く印象に残った。身長153センチと小柄ながら、鋭いトリプルアクセル(3回転半ジャンプ=3A)を武器に、グランプリファイナルにも出場した。

 「今季、女子では世界で一人しかやっていない」SP、フリーで3A計3本の構成で挑んだ。リスクもはらむ高難度な挑戦を「3Aは私のプライド」と貫き通した。「反対されると逆にやりたくなってしまう。それが原動力」と昨年末の全日本選手権で3本全て成功させた。

 全日本7位でミラノ五輪代表にはあと一歩届かず、悔し涙を流した。今季での引退を考えていたが、4年後の五輪出場を目指し、現役続行を表明。「新しい環境の中でより一層成長し、皆様により良い形でお返しできるよう努めてまいります」。ミラノ五輪女子シングルで銅メダルを獲得した中井亜美(17)らと練習してきた千葉・MFアカデミーから、岡山・倉敷市へ拠点を移して再出発した。

 ミラノ五輪で日本勢は過去最多6個のメダルを獲得し、「フィギュア大国」へ躍進。女子シングル銀メダルの坂本花織(25)は引退するが、3Aと4回転を跳べる島田麻央(17)もいて、30年フランス・アルプス五輪代表争いは世界最高峰の争いとなりそう。

今回の悔しさを糧に3Aを磨き、習得中の4回転ジャンプも構成に組み込めば渡辺も五輪金メダル候補。再挑戦も見守りたい。(五輪担当・富張 萌黄)

 ◆富張 萌黄(とみはり・もえぎ) 2020年入社。レイアウト、ゴルフ担当を経て昨年5月から現職。

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