◇大相撲春場所初日(8日、エディオンアリーナ大阪)

 横綱昇進を目指す大関・安青錦(21)=安治川=は小結・若元春(32)=荒汐=を寄り切って白星発進した。相手の変化に動じず、3場所連続優勝と綱取りへ好スタートを切った。

師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・照ノ富士)から暴行を受けた西前頭7枚目・伯乃富士(22)=伊勢ケ浜=は東前頭7枚目・欧勝馬(28)にはたき込みで敗れた。東前頭筆頭・若隆景(31)=荒汐=は横綱・大の里(25)を押し出し、初金星を獲得した。

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 綱取り場所の初日。緊張はしていると思うが、どんな状況でも、体の動きが鈍くならないのが安青錦の真骨頂だ。若元春の立ち合いの変化にも動じず、危なげなかった。土俵に上がったらいつものように自分の相撲を取り切るのが強さの源といえるだろう。

 NHKのインタビューで語った「違う安青錦を作ることはできない。今の安青錦を成長させたい」という言葉が印象に残っている。ぶれない気持ち。自分を見つめて相撲道に打ち込む。末恐ろしい21歳の若武者だ。2日目には苦手な義ノ富士と対戦する。

立ち合いで体を起こされたら苦戦は必至。逆に難敵を倒せば目標に向かって大きな波に乗れる。まだ2日目だが、大事な一番。まさに“八合目の戦い”といえる。

 最後に若元春の立ち合いにはがっかりだ。正々堂々と立ち向かってほしかった。「勝っても負けても何も残らないぞ」と言いたい。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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