プロフィギュアスケーターの羽生結弦さん(31)が座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata 2026」の2日目公演が8日、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで行われた。11日で東日本大震災から15年。

羽生さんはオープニングで「言葉も、国境も、地区も、地方も超えて、話さなくても、手を取り合わなくても。みんなが復興を頑張ってきたように、今もまだ頑張っているように、つながりを、絆を感じられるよう、僕たち一人一人が皆さんの星となって、希望となって演技を届けていきます」と語りかけた。

 公演後、羽生さんが客席に向かって叫んだ。「東北ユースオーケストラさんの生演奏、いかがでしたでしょうかー?」。会場に大きな拍手が沸いた。ステージ上には笑顔の花が咲いた。

 今年のスペシャルゲストは東北ユースオーケストラ。録音された音源をもらい、自ら振り付け、滑り込んできた。生演奏で合わせたのは開幕前日だった。

 「本当に本当に想像以上に、きっとあれから練習されたんだろうなということを、このリンクに来てからより一層感じました。寒いリンクの中で、指がかじかんだり、緊張感もすごい中で演奏してくださって、これだけ素晴らしい演奏をされているっていうことは本当に本当にすっごい頑張ってきたんだなと思っています。並大抵のことではない」と熱く続けた。

「この舞台に向けて、本当に魂込めて作ってきてくださった」。全スケーターを代表し、感謝した。

 坂本龍一さんが東日本大震災の被災地の若者と立ち上げた東北ユースオーケストラとコラボした新演目の一つが「Happy End」だ。会場でのリハーサルから、曲についての理解を深め合ってきた。世界への切望、嫉妬、羨望、美しい音色。傷を、痛みを抱えて生きていく。それも自分だと受け入れ進んでいく。音やパートを心臓、脈、呼吸などに例えながら、坂本龍一さんを重ねながら、羽生さんなりの解釈を言葉を紡ぎ伝える姿があった。

 2期生の千葉愛子さん(22)は「まっすぐな言葉で『この曲はこういう思いが乗せられていると思う』『この楽器の部分はもっとこういうふうな感情だと思う』とおっしゃってくださった」。1期生の鈴木南美さん(21)も「羽生選手の解釈を聞くまでは、漠然と気持ちがあふれる曲だな、みたいにしか思えていなかった。嫉妬や、切実な思いが満ちて満ちてみたいなことを、たくさんお話しいただいた」と受け止めた。

 感情が共鳴するような、演奏とスケート。

若い世代へつないでいくことの意義。新しいコラボレーションが、東北で祈りを奏でた。(高木 恵)

 ◆配信 「東和薬品 presents 羽生結弦 notte stellata 2026」はHuluで独占生配信。

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