落語家・林家正蔵が9日、東京・上野の現龍院墓苑前で行われた東京大空襲の犠牲者への鎮魂を祈る「時忘れじの集い」に出席し、平和への願いを訴えた。

 「時忘れじの集い」1945年の東京大空襲で両親を含む家族6人を亡くし、戦争孤児として育ち、昨年12月に亡くなった母でエッセイスト・海老名香葉子さん(享年92)がライフワークとしていたもの。

海老名さんの長男・正蔵は、同会を「母の魂全て。受け継いだ魂全て」と表現し「母がいないのは不思議。でも、母の思いはここにある。そう確信しました」と力を込めた。

 現在はイラン情勢の緊迫化など、心配は尽きない。「世界にも戦火があって、とても悲しい思いをしている母みたいな子もいる。慰霊碑に手を合わせても戦争は終わらない」と歯がゆい思いを抱くことも。それでも、今後も自身が先頭に立って、家族や一門で同会を引き継ぐことを宣言した。「母を1人の人間として尊敬します。口にするのもおこがましいですが、偉い人だな~立派だな。引き継ぐのは当たり前。終わらせたら罰が当たる。

続けることが大事。とにかく続ける。戦争がなくなるまで…。なくなっても、だな」と語った。

 この日の司会は、正蔵の長男で海老名さんの孫・林家たま平が担当。林家ペー林家たい平、林家つる子ら一門も出席した。海老名さんの次男で2代目・林家三平は、仕事の都合で開会前に訪問し、慰霊碑に手を合わせた。

 海老名さんは戦争の悲惨さを伝えるため、2005年に私財を投じて「一般社団法人 時忘れじの集い」を設立。上野公園内に慰霊碑と平和の母子像を建立し、毎年3月9日に慰霊祭を行っていた。

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