大相撲春場所2日目(9日、エディオンアリーナ大阪)

 西前頭筆頭・義ノ富士が大関・安青錦を寄り倒し、初白星を挙げた。初土俵から11場所連続勝ち越し中のホープが、横綱昇進が懸かる大関を破り、目標の新三役に弾みを付けた。

3場所連続制覇を狙う安青錦は初黒星。横綱・大の里は新小結・熱海富士に寄り切られ、昇進後初となる初日から2連敗。横綱・豊昇龍は東前頭筆頭・若隆景を送り出して2連勝とした。

* * * * * * * *

 わずかな差が明暗を分けた。義ノ富士は立ち合いで安青錦に先手を取られてしまった。それでも左を取って右から起こしながら圧力をかけ、体を大きく開いての出し投げから一気に体を預けた。安青錦は珍しく頭から当たる立ち合いから突っ張って右を差したが、そこで動きを止めた。不利な形からでも動き続けた義ノ富士とわずかだけ動きを止めてしまった安青錦。時間にして1秒未満だったと思う。少しの差が若手同士の対戦のターニングポイントになったといえる。

 義ノ富士は確実に強くなっている。もう一発屋ではない。

上位でも対等に戦える力士に成長した。変則的でないことも好感が持てる。立ち合いは低くて鋭い。両脇も締まっている。馬力もある。正攻法という自分の持っている型を確実に進化させている。楽しみでしかない力士だ。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

編集部おすすめ