大相撲春場所2日目(9日、エディオンアリーナ大阪)

 西前頭筆頭・義ノ富士が大関・安青錦を寄り倒し、初白星を挙げた。初土俵から11場所連続勝ち越し中のホープが、横綱昇進が懸かる大関を破り、目標の新三役に弾みを付けた。

3場所連続制覇を狙う安青錦は初黒星。横綱・大の里は新小結・熱海富士に寄り切られ、昇進後初となる初日から2連敗。横綱・豊昇龍は東前頭筆頭・若隆景を送り出して2連勝とした。

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 義ノ富士の勝負勘がさえ渡った。安青錦に右の下手を取られ、低い姿勢で食らい付かれた瞬間、危機を察知した。「止まったらダメだ」。相手を起こしにかかり、すかさず左の上手出し投げで振って崩すと、一気に寄り倒した。初日黒星から立て直し「攻め続けた。昨日負けていたので、勝ちたかった」と胸を張った。

 綱取りを目指す安青錦に幕下時代を含めて4勝1敗と“キラー”ぶりを発揮した。先場所は逆転の首投げで初黒星を喫した反省も生かし、腰の高さや距離感など細部を意識。「土俵際もしっかりいった」と連敗は許さなかった。

八角理事長(元横綱・北勝海)は「出し投げがうまかった。こういう義ノ富士もあるんだなと思った」と引き出しの多さに目を細め、高田川審判長(元関脇・安芸乃島)も「動きと馬力、うまさが存分に出た」と絶賛した。

 場所前の2月中旬。部屋の旅行でタイ・バンコクに3泊4日で滞在し、人生で初めて象の背中に乗った。簡易的な作りの椅子にまたがると、想像以上の高さに最初は恐怖心を感じたが、「歩き出したら全然かわいかった」。また、虎を触りながらの写真撮影にも挑戦。大型動物を相手に度胸を養い、今場所の土俵に上がっている。

 先場所は千秋楽で初土俵から11場所連続の勝ち越しを決めたが、番付運に恵まれず、西前頭筆頭に据え置きとなった。兄弟子の熱海富士は新三役に昇進。「部屋としては新三役でかなり盛り上がってうれしい。自分も続きたい」と刺激を受け、目指す地位への思いを新たにした。「2場所連続優勝で綱取りが懸かっている大関に勝てたので、自分も頑張らないといけない。

守りに入らず、思い切りいきたい」。存在感を際立たせた初白星から勢いに乗っていく。(林 直史)

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