スピードスケート女子の佐藤綾乃(ANA)が10日、オランダで行われた世界選手権から成田空港に帰国した。オールラウンド部門に出場し、9位。

今季ラストレースを終え「純粋に最後の大会がオランダでできたことは、あんな大歓声の中でレースができることはなかなか経験できない。締めくくりとしては気持ちいい環境の中でレースができて、喜びに満ちている」。最終種目の5000メートルにはわずかな差で出場がかなわなかったが、満開の笑みを浮かべて大会を振り返った。

 2月のミラノ・コルティナ五輪からは約2週間でのレースとなった。気持ちの切り替えは難しかったと話したが、ヨハン・デビット・コーチからは「純粋に心からスケートを楽しむ期間にしてほしい」と告げられ、スケート大国・オランダの大歓声に包まれ3種目を滑った。「オランダの方々は全員がスケート、選手が好き。結果がどうであれ楽しいレースができる。大きい歓声をくれたことに対してはうれしい。楽しませてくれてありがとうという気持ちが大きい」と話した。

 同じ「チーム・ゴールド」で活動してきた高木美帆(TOKIOインカラミ)は今大会限りで現役を退いた。佐藤は最後に行われた5000メートルのレース後に高木の姉・菜那さん、押切美沙紀さんと18年平昌大会で金メダルを獲得した団体追い抜きメンバーが集まり、高木と抱き合った。佐藤は「声を出し尽くせる限り、菜那さんと押切さんと一緒に最後はその(団体追い抜き)メンバーで応援したかった。

3人で美帆さんを見届けたい気持ちがあった」とリンクの外から声援を送り続けた。

 高木とは団体追い抜きで五輪3大会連続でメダルを獲得。同じチームでも3シーズンともに活動し、「世界のトップを目指すに当たって、なくてはならない存在。ここまで成長させてくれたのは美帆さんがいてこそ」と高木への思いを口にした。

 最高の仲間はリンクに別れを告げ、佐藤自身も五輪の引退を明言している。競技生活については「自分の気持ちを固め切れていない。会社の方、スケート人生に関わるいろんな人たちと話し合って、どうするかを決めて、自分の口から発信していきたい」と明言を避けた。3度目の五輪も終わり「今は簡単には次に向けてとは言いにくい」と心境を明かし、決断に注目が集まる。

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