プロボクシング世界3階級制覇王者でWBA、WBC、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)1位・中谷潤人(28)=M・T=が10日、自身のインスタグラムで、師匠ルディ・エルナンデス・トレーナーの父で93歳で亡くなったロドルフォさんに感謝の言葉をつづった。

 ロドルフォさんはボクシングの元トレーナーで、元WBC、WBA世界スーパーフェザー級王者ヘナロ・エルナンデス(享年45)、ルディ兄弟の父親。

中谷は中学卒業後、15歳で単身、米国ロサンゼルスでのボクシング武者修行をした時から自宅に住まわせてもらい、多くのサポートを受けたという恩人だ。米国に身寄りのない中谷を笑顔で自宅に迎え入れて生活の世話をしたり、ルディ氏のジムに通う中谷を毎日、車で送り迎えしてくれたりしたという。中谷はふだんから「granpa」「おじいちゃん」と呼び、ロドルフォさんも自分の孫のようにかわいがってくれた。プロデビューしてからも励まし続けてくれたロドルフォさんに、中谷は強化合宿でロス入りするたびに会いに行き、パワーももらってきたという。

 「granpa

出会いは15歳の時でした。

口笛を吹き陽気に迎え入れてくれたのを今でも思い出します。

言葉をしゃべれない僕に何も言わず、沢山のサポートをしてくれました。」とインスタに投稿した中谷は「granpaの愛情が僕を成長させ、強くしてくれて今の僕があります。

感謝で言葉ではいい表せないほどの想いです。

granpaゆっくり休んでください。

COMIDA」(いずれも原文ママ)とつづった。

 「COMIDA(コミダ)」はスペイン語で料理のことで、中谷とロドルフォさんの間では「左」を意味する合言葉だった。渡米したばかりで英語が話せなかった中谷に通じるようにと、ロドルフォさんが簡単な英語やスペイン語を使って合言葉にしたそうで、「LUNCH TIME」は「右」、「COMIDA」は「左」という意味で使っていた。

ロドルフォさんが「COMIDA!」と叫ぶと中谷は練習で左のパンチを打ったという。慣れ親しんだ、懐かしい「COMIDA」は2人の絆さを表す言葉にほかならない。この日の投稿には「COMIDA」の文字の後にグラブでパンチの絵文字がついていた。5月2日、東京ドームで世界4団体スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(32)=大橋=への挑戦が決まった中谷だけに、左で世界4階級制覇を果たすという闘志の表れなのかもしれない。

 中谷はWBO世界フライ級(50・8キロ以下)王者だった2021年9月10日、アリゾナ州でアンヘル・アコスタ(プエルトリコ)に4回TKO勝ちした防衛戦を9月12日付一面で報じたスポーツ報知を手にするロドルフォさんの写真も投稿。“米国のおじいちゃん”への強い決意を示していた。

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