大相撲春場所3日目(10日、エディオンアリーナ大阪)

 横綱・大の里が、初めて初日から3連敗を喫し、休場ピンチに陥った。東前頭2枚目・藤ノ川に引き落とされ、横綱昇進5場所目にして通算11個目の金星配給。

横綱の初日から3連敗は、師匠でもある稀勢の里(二所ノ関親方)が2019年初場所に記録して以来の屈辱となった。藤ノ川は横綱初挑戦で初金星を挙げた。西前頭9枚目の玉鷲は幕内出場記録が1位・旭天鵬の1470回に並んだが、同8枚目の正代に敗れた。

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 大の里は重症といっていいだろう。立ち合いで藤ノ川に一度、つっかけられた時は「待った」というより「立てなかった」というのが私の見立て。腹が決まっていなかったのだ。案の定、2度目の立ち合いは失敗。足がそろって、棒立ち状態で腰が高く、胸も出してしまった。最悪なのは足がそろっていたこと。カエルが跳ぶ時のような動きになってしまった。片方の足を前に出して、防御の姿勢を取れていれば、別の景色が見えたかもしれないし、腹から落ちることもなかった。

 3連敗の原因は私にもわからない。

確かなのは内容がどんどん悪くなっていること。迷っているのだろう。リズム感もない。これが横綱の重圧といっていいかもしれない。横綱というのは大関と違って落ちることがない。同時に進退と背中合わせの孤独な地位でもある。毎日がタイトロープの上の戦いだ。自分でこじ開けるしかない。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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