歌手・八代亜紀さんの出世作「なみだ恋」、香西かおりの「浮雲」などで知られる作詞家の悠木圭子(ゆうき・けいこ)さんが、3日に都内で誤嚥性(ごえんせい)肺炎のため亡くなったことが10日、関係者への取材で分かった。90歳だった。

葬儀・告別式は近親者のみで執り行った。八代亜紀さんの「想い出通り」(23年3月発売)が遺作になった。歌手の入山アキ子は11日、ブログで悠木さんの死去を明かし「あまりにも突然の出来事に、正直なところ、まだ心が追いついておりません」とつづった。

 悠木さんは山口・防府市生まれ。1954年に映画「十代の秘密」(藤田佳子名義)で女優デビュー。映画「婦系図 湯島の白梅」や「霧の音」、ドラマ「大奥」など映画、舞台で活躍した。

 作詞家としてのデビュー作は、69年の小川知子の「さよならがこわいの」。73年に「なみだ恋」がヒットし、作詞家に転向した。私生活では、72年に作曲家の鈴木淳さん(21年12月死去、享年87)と再婚。鈴木さんとのコンビで、八代さんの「おんなの夢」「ともしび」、山本譲二の「おまえと生きる」などを楽曲提供した。

 当時中学生だった田川寿美をスカウト。「女…ひとり旅」でデビューさせ、「みれん海峡」「哀愁港」などのヒット作を手がけた。

 音楽関係者によると、遺作は、夫の鈴木さんをしのんで作詞した八代さんの「想(おも)い出通り」(23年3月発売)という。お別れの会、しのぶ会などは遺族の意向により行わない。

 悠木さんを「恩師」と慕う入山はブログで「つい先日、2月にお宅を訪問させていただいたばかりでした。その日は先生と夕食をご一緒し、これからの夢や歌について語り合いながら、楽しいひとときを過ごさせていただきました。この歳になっても、毎年先生からいただきますお年玉。。手帖に入れ持ち歩きながら先生の優しさを噛みしめていました。アットホームな温もり、たくさんの思い出が走馬灯のように、、、その後もLINEでいつものようにやり取りをさせていただいておりましたが、2月終わりに不測の出来事、最後のメッセージ3月2日既読がつかず……。胸騒ぎが消えない中、あまりに悲しい報せが届きました」と近況を明かした。

 ◆悠木 圭子(ゆうき・けいこ)1935年7月21日、山口・防府市生まれ。女優(藤田佳子名義)として活動後、作詞家に転身。五木ひろし「再り会い(めぐりあい)」「逢えて…横浜」、都はるみ「おんな恋唄」「悲恋」、ちあきなおみ「想い出なんて欲しくない」などを作詞した。

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