歌舞伎俳優の8代目尾上菊五郎が11日、都内で歌舞伎座の「四月大歌舞伎」(4月2~27日)、「團菊祭五月大歌舞伎」(5月3~27日)の取材会に出席した。

 4月は「裏表先代萩」と「浮かれ心中」に出演する。

「裏表先代萩」は仙台藩のお家騒動を題材にした時代物の大作「伽羅先代萩」に欲のために主人に手をかける下男小助の物語を加えた音羽屋ゆかりの演目。8代目菊五郎は女形の大役・政岡、お家乗っ取りを画策する仁木弾正、下男小助の3役を演じる。

 不安定な中東情勢などを踏まえて「4月は『人としてどう生きますか』と訴えかける演目」と語る。「政岡は理想ですよね。子どもを犠牲にしながらも主君のために仕える。高潔な武家の精神を体現している。仁木はいわば、闇ですよね。小助は普通の人」と三者三様の役柄を分析。「私も政岡のように生きたいけども、生きられない。仁木のように悪くもできない。いわば小助のような人生を歩んでいる」と説明した。

 3代目菊五郎が初演し、代々の菊五郎が手掛けてきた「裏表先代萩」。

初めて挑む8代目菊五郎は、かつて父の7代目が勤めたのを鮮明に覚えていて「一人の役者が政岡、弾正、小助を演じ分けるのが面白い。いつか自分も演じたいなと思っていました」と憧れを明かした。

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