東日本大震災から15年が経過し、企業の防災体制にも世代交代の影響が現れ始めている。震災当時の対応を経験した社員が減少するなか、事業継続計画(BCP)や安否確認体制の運用に課題を抱える企業の姿が、最新の調査から浮かび上がった。

 クラウドサービスを提供するトヨクモ株式会社は、従業員100人以上の企業でBCPや防災、安否確認業務に関わる担当者111人を対象に「企業の防災・安否確認体制に関する実態調査2026」を実施した。

 調査によると、震災対応を経験した社員が半数未満となっている企業は62・4%にのぼった。震災経験者が「5割以上残っている」と回答した企業は31.8%にとどまり、当時の知見を直接共有できる人材が減少している実態が示された。また、震災の教訓が「具体的に活かされている」と答えた企業は29・9%で、58・9%が教訓の形骸化を感じていると回答している。

 防災訓練の頻度では「年1回」が52・3%で最も多かった。一方で、2026年の働き方に合わせたBCPの更新状況については、「一部更新しているが十分ではない」が49・5%と最多で、「策定以来一度も更新していない」企業も6・3%あった。

 災害時の連絡手段では「社内メール」が52・3%で最多となり、「専用システム」は42・3%だった。また、安否確認に関する課題では「回答集計の時間と手間」が39・3%、「未回答者への再連絡」が38・3%と上位を占めた。さらに26・2%は「担当者が不在の場合、対応が止まってしまう」点を問題視している。

 大規模災害時の初動対応については、「問題なく完遂できる」とした担当者は23・4%にとどまり、「やや不安があるが概ね対応できる」が58・9%、「人手が足りず大幅に遅れる」が15・9%となった。震災経験者の減少と働き方の変化が重なるなか、企業の防災体制は新たな段階での見直しを迫られている。

編集部おすすめ