大相撲春場所4日目(11日、エディオンアリーナ大阪)

 東前頭2枚目・藤ノ川が横綱・豊昇龍をはたき込んで金星を獲得した。横綱初挑戦から同一場所で2日連続の金星は2014年名古屋場所の大砂嵐以来、2人目。

綱取りの大関・安青錦は西前頭2枚目・美ノ海に寄り倒されて早くも2敗を喫した。大関・琴桜も関脇・高安に寄り切られ、横綱、大関が総崩れの波乱となった。41歳の西前頭9枚目・玉鷲は幕内1471回出場とし、単独史上1位に立った。4連勝は高安と平幕の隆の勝、琴勝峰の3人。

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 恐るべき21歳の若武者だ。藤ノ川は横綱を相手にしても全く気後れしなかった。私が同じ立場だったら、仕切りで豊昇龍ににらまれたら頭が真っ白になっていたはず。失うものがないから怖さもない。だからこそ思い切って当たることができるのだ。これが現代の若者の姿なのかもしれない。

 立ち合いで当たって、中に入って頭を付けて押し上げてのはたき込み。速くて無駄もない動きは「牛若丸」と呼ばれた先々代の藤ノ川さんにも似ていると思った。

先々代も鋭い当たりからのいなしが得意だった。偉大なしこ名をもらったのだから、藤ノ川も先々代の取り口を研究しているのだろう。

 一度だけ押尾川部屋での稽古を見たことがある。実に気持ちのいい汗をかいていた。177センチ、121キロの小さな体には豊富な稽古量という裏付けがある。それが2日連続の金星につながった。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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