大相撲 ▽春場所4日目(11日、エディオンアリーナ大阪)

 東前頭2枚目・藤ノ川が横綱・豊昇龍をはたき込んで金星を獲得した。横綱初挑戦から2日連続の金星は2014年名古屋場所の大砂嵐以来、2人目。

綱取りの大関・安青錦は西前頭2枚目・美ノ海に寄り倒されて早くも2敗を喫した。大関・琴桜も関脇・高安に寄り切られ、横綱、大関が総崩れの波乱となった。41歳の西前頭9枚目・玉鷲は幕内1471回出場とし、単独史上1位に立った。4連勝は高安と平幕の隆の勝、琴勝峰の3人。

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 藤ノ川の連日の金星に館内はどよめき、拍手が鳴りやまなかった。初顔合わせとなった豊昇龍との一番。横綱の張り差しにもひるまず、立ち合いで懐へ潜り込んだ。横綱得意の右差しを許さず。相手の上体を起こして、タイミングよくはたき込んだ。「大きい相撲でなく、小さく攻められて良かった」とうなずいた。

 大の里の休場により、念願の結びの土俵に立った。「夢の舞台で、小学生の時から(テレビ中継される)18時の最後まで相撲を見ていた。

そこで勝てたことはうれしい」と感慨深げに語った。3日目の大の里戦に続き、横綱初挑戦から2日連続で金星を獲得するのは、14年名古屋場所の大砂嵐以来、戦後2人目の快挙となった。

 3日目の初金星で手にした懸賞金21本は、全てを父の甲山親方(元幕内・大碇)にプレゼント。小学3年で母を亡くし、1人で3兄弟を育ててくれた父へ恩返しだった。「また明日(懸賞金を)取ればいいやと思った」。宣言どおり、横綱を連日破り、今度は32本の懸賞金の束を手にして見せた。また、父に渡すのかを問われると、「逆に今日は祝儀をもらわないと」と笑った。

 177センチ、121キロの小兵が、初の上位総当たりで強烈な存在感を放っている。新入幕だった昨年名古屋場所で若碇から改名。初代から148年続いていた伊勢ノ海部屋伝統のしこ名を継承した。「背負っている物もないので」。大舞台でも物怖じしない「令和の牛若丸」が、さらに大阪の土俵を盛り上げる。

(大西 健太)

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