綱取りの大関・安青錦が西前頭3枚目・王鵬にきめ出しで敗れ、早くも3敗目を喫した。1場所15日制が定着した1949年夏場所以降に昇進した横綱35人のうち、直前場所で6日目までに3敗した例はなく、場所後の昇進が厳しい状況に追い込まれた。

関脇・高安、西前頭4枚目・隆の勝は初黒星。全勝がいなくなり、横綱・豊昇龍ら7人が1敗で並ぶ混戦となった。

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 安青錦は形にこだわり過ぎた。立ち合いからの流れは良かった。低く当たって突き放して二本差し。問題はここから。(2日目に)義ノ富士に負けた一番と同じミスを犯してしまった。二本差しから、もっといい形になろうとして一呼吸置いた。そこを王鵬に両かいな(腕)を固められた。王鵬のきめ出しは形こそ良くなかったが、休まずに必死に攻め続けた。形にこだわってタイムラグを作った安青錦。形にこだわらず技術を超越した王鵬。

ターニングポイントは明白だった。

 「自分の相撲を突き詰める」が口癖の安青錦。緊張感はないと強調しているが、いつもより攻めが遅い現状はプレッシャーを感じている証拠。それが綱の重みなのだ。場所後の綱取りが無理でも、11勝4敗でまとめれば必ず来場所につながる。まだ21歳の若武者。可能性は無限にあるといえる。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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