◆オープン戦 広島1―7阪神(14日・マツダスタジアム)

 阪神・中川勇斗捕手(22)が開幕スタメンを大きくたぐり寄せた。広島戦に「3番・左翼」で出場し、3回の左越え2号2ランを含む3安打3打点の活躍。

10安打7得点の打線をけん引し、3連勝に導いた。27日の東京ドームの開幕戦で対決する巨人には好相性の“隠れキラー”。同学年のドラフト1位・立石正広内野手(22)=創価大=の実戦初出場が迫るなか、高卒5年目の若虎が昨季レギュラー不在の左翼の座を射止める。

 ほれぼれする放物線だった。1点リードの3回1死一塁。中川が高の浮いたフォークをすくい上げた打球は悠々と左翼フェンスを越えた。「打った瞬間にいったかなと思いましたけど、逆風だったので、いってくれと」。6回に中前打、7回無死三塁では右前適時打を放って猛打賞。6試合連続の3番起用に応え、オープン戦打率3割7分、2本塁打、7打点と開幕左翼へ、打棒が止まらない。

 実は“隠れGキラー”でもある。今季の開幕戦でぶつかる巨人相手に昨シーズンは8試合で打率3割5分7厘(14打数5安打)、特に東京ドームだと同4割1分7厘(12打数5安打)まで跳ね上がる。その好相性を踏まえれば、プロ5年目で初の開幕スタメンも現実味を帯びる。

藤川監督は「まだまだです。準備です」と多くを語らなかったが、筆頭候補に躍り出ている。

 球児チルドレンの代表格だ。豪快なスイングが生み出す打力を期待され、昨季からマスクを外して外野が主戦場に。1軍デビューすると、8月7日の中日戦(バンテリンD)でWBC日本代表になった金丸からプロ初アーチ。25試合に出場し、打率2割6分8厘、2本塁打と片りんをのぞかせた。昨年、圧倒的なリーグ優勝を飾ったチームにあって、左翼は遊撃とともにレギュラーが固定できなかったポジション。数少ない“弱点”を若虎が埋めれば、球団初のセ・リーグ連覇に向け、確かな道が開ける。

 右足肉離れで2軍調整中のドラフト1位・立石は17日からのファーム・リーグのオリックス3連戦(SGL)で実戦初出場の見込みだ。ライバルの足音が日に日に大きくなっているが、「そんな人のことを考えられる立場じゃない。自分のことをしっかりやっていきたい。必死にやってる結果」と中川。

相手は関係ない。新人王の資格を持つ背番号68に大化けの予感が漂う。(小松 真也)

 ◆中川 勇斗(なかがわ・はやと)アラカルト

 ☆生まれとサイズ 2004年1月27日生まれ。愛知県出身。22歳。172センチ、76キロ。右投右打。

 ☆球歴 味岡小1年時に「味岡キングス」で野球を始め、味岡中では「愛知尾州ボーイズ」に所属。京都国際で3年春夏に捕手として甲子園出場。21年夏はベスト4進出に貢献した。同年ドラフト7位で入団。

 ☆大の格闘技好き 朝倉未来の大ファン。

試合前に動画を見返し、気持ちを高めることも。

 ☆師匠は侍戦士 バットメーカーの担当者が同じ縁でオフはDeNA・牧と自主トレ。WBCにも出場している師匠から下半身の使い方など打撃の極意を学んだ。

 ☆植物好き 入寮の際は「サボテン」を持参。安らぎを求めて寮の自室に持ち込んだ。

 ☆元中日の大砲が目標

 昨年4月に母国・ドミニカ共和国で天井崩落事故に巻き込まれて死去した元中日のトニ・ブランコさんがあこがれ。持ち味のフルスイングの原点。

◆阪神の25年の左翼スタメン内訳

前 川 49

高 寺 29

森 下 25

中 川 15

豊 田 8

小野寺 5

熊 谷 5

島 田 3

井 坪 2

佐藤輝 1

井 上 1

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