◆女子アジア杯 ▽準々決勝 日本7―0フィリピン(15日、オーストラリア・シドニー)

 FIFAランク8位のなでしこジャパンは同41位のフィリピンに7―0で勝利し、10大会連続のW杯(来年6月開幕、ブラジル)出場を決めた。

 初戦の台湾戦(2〇0)では強固なブロックをしいて守る相手を崩せず、ショート20本以上を放ちながら無得点で前半を終えた。

この日も前半だけでシュートを20本以上記録し、ボール支配率も8割を超え、ハーフコートゲームの時間が続いた。

 前半終盤まで我慢の時間が続いたが、前半45分、ゴール前での混戦からFW田中美南が頭で泥臭く押し込み、先制に成功。たたみかけるように、同アディショナルタイム(AT)2分には左CKからDF古賀塔子が頭で沈めて、点差を2点に広げた。

 後半からはDF北川ひかるとFW千葉玲海菜を投入。すると後半20分、決定機を複数作っていた千葉が、左サイドのFW藤野あおばのクロスをスライディングで合わせて3点リードに。さらに同22分には、今大会初出場のFW松窪真心(まなか)のA代表初得点も生まれ、試合を決定づけた。第2戦のインド戦では驚異の11得点を決めていたが、W杯出場がかかった一戦でもゴールラッシュを見せた。

 8強の壁に阻まれていた停滞ムードに刺激を与えるため、24年12月に初の外国出身監督が誕生。前線から積極的にプレスをかけ、パスを小気味良くつなぐ先手必勝の攻撃的なサッカーへ生まれ変わった。初陣のシービリーブス杯では13年ぶりに米国を破る快挙も達成し、今後の躍進を予感させた。

 しかし、華々しいデビューとは対照的に、以降は苦戦を強いられた。昨年4月から10月までの親善試合は2分け4敗。

相手はブラジル、スペイン、イタリア、ノルウェーと強豪ぞろいだったが、8強の壁を超えるには倒さなければいけない相手だった。同年7月の東アジアE―1選手権でも苦しい戦いを強いられ、3連覇を逃した。通訳を挟むことで会話のテンポが落ち、指揮官の意図が十分に伝わりきらないという、初の外国出身監督ならではの課題も浮き彫りとなった。

 10月の欧州遠征後、チームはミーティングの方法の変更を決断した。これまでは指揮官が主体となり、選手に戦術などを伝えていたが、事前にコーチと分析の担当者に戦術などの方針を伝え、コーチが日本語で説明するようにした。指揮官が話す際も、英語が苦手な選手を一か所にまとめ、通訳がそばで同時通訳をすることで時間を短縮。言語の壁が低くなり、意見交換がより活発になった。指揮官も「非常に価値のある変化」と手応えをつかんだ。

 11月のカナダ戦では連勝。今大会も指揮官がテーマとして掲げる攻撃的で主体的なサッカーを体現している。

 24年12月の就任時、ニールセン監督は「世界のトップに返り咲くことを目指す」と、2011年ドイツW杯での優勝以来の世界一奪還を宣言した。今大会の目標も、あくまでも2大会ぶりのアジア制覇。

アジア1位の勲章を手にし、来年のW杯へさらなる弾みをつけたい。

 ◆女子アジア杯 2027年ブラジル女子W杯の予選を兼ねる。大会の上位6チームがW杯の切符を獲得。準決勝に進出した時点で、W杯出場が決まる。準々決勝で敗北したチームは、準々決勝敗退チーム同士で1試合のプレーオフを行い、勝利すればW杯出場、敗れれば大陸間プレーオフに回る。

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