◆女子アジア杯 ▽準々決勝 日本7―0フィリピン(15日、オーストラリア・シドニー)

 FIFAランク8位のなでしこジャパンは、同41位のフィリピンに7―0で大勝し、10大会連続の女子W杯(来年6月開幕、ブラジル)出場を決めた。

 守備を固めたフィリピンに対し、前半終盤まで我慢の時間が続いたが、前半45分、左CKからゴール前が混戦となる中、FW田中美南がヘッドで押し込み、先制に成功。

たたみかけるように、前半アディショナルタイム2分には左CKからDF古賀塔子がヘディングシュートを決めて、点差を2点に広げた。後半からはDF北川ひかるとFW千葉玲海菜を投入。後半20分、その千葉が左サイドのFW藤野あおばのクロスをスライディングで合わせて3点リードに。さらに同22分には、今大会初出場のFW松窪真心(まなか)のA代表初得点も生まれ、試合を決定づけた。次の準決勝(18日)は韓国と対戦する。

 元日本女子代表FWの大竹七未氏は、快勝でW杯出場を決めたなでしこジャパンに対し「美しいサッカーだった。全選手の質が上がり、うまいのにサボらない。アジアのチャンピオンとなってW杯に臨んでほしい」と期待を込めて話した。

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 なでしこジャパンは、序盤からフィリピンに引いて守られ、スペースがなかった。相手が格下とはいえ、難しくなるゲームだったが、なでしこジャパンがイライラしている様子は見られなかった。

 落ち着いてプレーを続け、前半の終盤にセットプレーからゴールをこじ開けて格の違いを見せた。

 試合を決定づけた3点目はワールドクラスのゴールだった。

左サイドの藤野が右サイドへ大きく展開し、千葉が決めた。藤野のキックの質、千葉のシュートの質、いずれもレベルが高かった。

 後半12分に主力の長谷川唯に代わって途中出場した松窪は、ゲームチェンジャー。技術が高く、試合の流れを変えられる選手だ。先発出場でもやれる選手だが、途中で出てくればチームに勢いをつけられる。

 若手の成長が著しく、チームは大きく底上げされた。今のなでしこジャパンは、誰が出ても同じサッカーができる。ニルス・ニールセン監督は11人を選ぶのが難しいという、うれしい悩みを抱えていると思う。

 フィリピン戦は、本当に美しいサッカーだった。全選手の質が上がり、うまいのに格下相手でも誰もサボらずにパス&ムーブを続けた。2011年女子W杯を制した、あの時のなでしこジャパンに近づきつつある。

 女子W杯出場権獲得は最低限の目標であり、ここで喜んでいる選手はいないはず。

アジアのチャンピオンとなって来年の女子W杯に臨んでほしい。(元日本女子代表FW)

 ◆女子アジア杯 2027年ブラジル女子W杯の予選を兼ねる。大会の上位6チームがW杯の切符を獲得。準決勝に進出した時点で、W杯出場が決まる。準々決勝で敗北したチームは、準々決勝敗退チーム同士で1試合のプレーオフを行い、勝利すればW杯出場、敗れれば大陸間プレーオフに回る。

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