◆プロボクシング WBA世界ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇王者・松本流星 (判定) 同級4位・高田勇仁●(3月15日、横浜BUNTAI)

 WBA世界ミニマム級タイトルマッチは王者・松本流星(27)=帝拳=が同級4位・高田勇仁(ゆに、27)=ライオンズ=を判定で破り、初防衛に成功した。ダイレクトリマッチで王座奪取を狙った高田はリベンジを果たせなかった。

 戦績は松本が8戦全勝(4KO)、高田が16勝(6KO)10敗3分け。

 積極的に前に出てくる高田に対し、松本は華麗にかわしながら、タイミング良く左ストレートやカウンターを打ち込んだ。7回には高田の右目上と鼻をカット。9回には偶然のバッティングで右目上をカットするも、攻撃力は衰えず。冷静に相手の攻撃を見極め、パンチを打ち込んだ。決定打こそ奪えなかったものの、判定はジャッジ3人とも120―108のフルマーク。完全勝利だった。

 「前回と違って高田選手に対策が見えた。気持ちが強かった。圧倒した内容を見せたいと思っていたけど、相手の頑張りもあったので…、。でも白熱した試合は最後まで見せられたと思う」と松本。初防衛とともに、昨年10月24日に51歳の若さで亡くなった日大ボクシング部の恩師・梅下新介さんへ勝利を届けた。

トランクスの左後ろ側には、昨年8月の試合後に急性硬膜下血腫のため、28歳で亡くなった大学の先輩、神足茂利さんのロゴマークが付けられていた。尊敬する恩師や先輩にささげる勝利だった。

 両者は昨年9月14日に王座決定戦で対戦し、5回途中に偶然のバッティングで高田が負傷して試合続行不能となり、松本が3―0の負傷判定でベルトを獲得した。

 1998年5月、兵庫県高砂市出身。父・広さんが通うボクシングジムで4歳からグラブを握った。14歳の少年は、世界チャンピオンになることを夢に兵庫から上京。日出高(現・目黒日大高)から日大に進み、22年の全日本選手権で優勝。23年2月にプロデビューし、24年9月に日本ミニマム級王座獲得。昨年9月、名門・帝拳ジムの選手としては最短の7戦目で世界の頂点に立った。

 松本は今回、岩田翔吉(帝拳)や、東洋太平洋ミニマム級王者の石井武志(大橋)らと約150ラウンドのスパーリングを重ねてきた。加えて、田中繊大トレーナーとは足を使うボクシングに取り組んできた。「常に足を止めない練習をゼロから教わってきました。

以前は小さいグローブで倒す感覚が先行しすぎていた部分がありましたが、初心に返って土台作りから始めました」

 「本物のチャンピオンになりたいと子供の頃から思っていた。日本は卒業したので、世界の強い選手と戦いたい」と松本。WBAには、WBO王者でもあるオスカー・コラーゾ(プエルトリコ)がスーパー王者として君臨する。そのため、今後は他団体王者と統一戦を行うためにはスーパー王者になるか、他団体王座を獲得するしかない。「これからも強い松本流星を見せられると思う」とリング上からファンに力強く誓った。

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