プロボクシングの元東洋太平洋バンタム級(53・5キロ以下)王者で4度世界挑戦した村田英次郎氏(69)の長男・誉英(たつひで、20)=エディタウンゼント=が15日、プロテストを受験し、一発合格した。年内のプロデビュー戦を予定。

父も届かなかった世界王座獲得めざし、第一歩を踏み出す。

 この日、大阪・堺春木ジムで行われたプロテストで誉英は、同じテスト生とのスパーリング2ラウンドで積極的に前へ出て、自身の間合いからタイミングよくパンチをヒット。そのセンスを披露した。1発被弾しても2発以上打ち返し、連打で相手を追い詰めるなど、負けん気の強さもうかがわせた。リングを下りると「緊張と倒したい気持ちで、前に出すぎたかもしれない。ストレートを当てたのは良かった」と笑顔。セコンドとして見守った父は「前向きに打って出ていた」と評価した上で、「もっとスタミナをつけないと」と指摘した。

 エディタウンゼントジム会長を務める父のもと、幼少期からジムが遊び場だった誉英。だが、実はボクシング歴まだ半年だ。小学生の頃からサッカー少年。高校では50メートル5秒8(手動)の俊足を武器に攻撃的なMFとして活躍したが、肉離れを頻発し、大学では競技を続けなかった。同ジムの雑務を手伝ううち、後継問題も考えるようになった長男。

「このジムをずっと残したい。ボクサーになれば、よりボクサーの気持ちが分かるはず」と昨秋から本格的にトレーニングを開始。父から直接、実技指導を受けるうち、ボクシングの面白さに、のめり込んでいった。

 この日は減量せず60キロで受験したが、プロデビュー戦はスーパーバンタム級(55・3キロ以下)あたりでの参戦を見据える。「まだ自分の実力も分からないけど、やるからには父も届かなかった世界を目指したい。まずデビュー戦。勝てるように、しっかり練習したい」。世界の舞台を知る父に追いつけ追い越せ。2世ボクサーの挑戦が始まった。(田村 龍一)

 ◆村田英次郎(むらた・えいじろう)1956年11月30日、石川県生まれ。69歳。15歳から金子ジムでボクシングを始める。

アマで五輪出場は逃し、19歳でプロデビュー。22歳で東洋太平洋バンタム級王座を奪取し12度防衛。80年6月、WBC世界同級王者・ピントール(メキシコ)に挑み15回引き分けで奪取ならず。81年4月、WBA世界同級王者・チャンドラー(米国)戦も15回引き分け。その後チャンドラーに2度挑むも、共にKO負けし現役引退。プロ通算24勝(15KO)2敗3分け。現在はエディタウンゼントジム会長。身長166センチ。右構え。

 ◆村田誉英(むらた・たつひで)2005年7月30日、大阪・高槻市生まれ。20歳。小学、中学、高校時代はサッカーに励み、高槻北高では主将。

現在は摂南大法学部2年。身長170センチ。右構え。家族は両親と妹。

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