◆プロボクシング▽WBC世界ライトフライ級(48・9キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇同級2位・岩田翔吉(負傷判定8回1分33秒)王者ノックアウト・CPフレッシュマート●(横浜BUNTAI)

 挑戦者のWBC世界ライトフライ級2位・岩田翔吉(30)=帝拳=が、1年ぶりに王座返り咲きに成功した。WBC世界同級王者ノックアウト・CPフレッシュマート(35)=タイ=に挑戦した岩田は、序盤から丁寧に左を突き確実にポイントを奪う展開。

4回に偶然のバッティングでノックアウトが左目上を大きくカット。8回に3回目のドクターチェックで続行不能と判断され、勝敗の行方は8回までの採点に。79―73が2人、残る1人は78―74の3―0の負傷判定勝ちで、WBO世界同級王座に続き2度目の王座獲得となった。

 「1年前に負けてから色々なことがあった。負けてからはい上がるときは勇気がいる。家族やみんなが支えになってくれた。みんなの支えがなかったら、ここまでこれなかった」と感極まり涙を流した。

 ちょどう1年前だ。WBO世界同級王者だった岩田は初防衛戦でレネ・サンティアゴ(プエルトコ)と対戦。ヒットアンドアウェーの相手を捕まえきれずに判定負けした。動ける状態で動かないのか、動けない状態だから動かないのか。答えは後者だった。

一発当ててやろうと力んで、力んでいるうちに逃げられた。「足を動かす」。4か月間、足を動かすことを徹底的に磨いた。一発に頼るスタイルも捨て、細かく手を出し続けることを心がけた。

 くしくもこの日は恩師の誕生日だった。小学生時代にキックボクシングを始めたことが格闘技との出会いだった。指導を受けたのは「神の子」と呼ばれた山本”KID”徳郁さん。すべての面で影響を受けたKIDさんだったが、2018年9月に多臓器不全で41歳の若さで死去した。墓前にベルトを持ち勝利報告することを心に誓っていた。リングサイドには”KID”さんの姉・山本美憂さんが応援にかけつけ「美憂ちゃん、やったよ」とリング上から勝利報告した。特別な日を最高の形で締めくくった。

 戦績は岩田翔吉が16勝(12KO)2敗、ノックアウトは29勝(11KO)2敗。

 ◆岩田 翔吉(いわた・しょうきち)1996年2月2日、東京都生まれ。30歳。元総合格闘家・山本KID徳郁さんのジムで小学4年から格闘技を始める。中2でボクシングに転向。東京・日出高(現目黒日大高)3年時に高校総体優勝。アマ戦績は59勝12敗。早大卒業後、18年12月、米国でプロデビュー。19年2月に日本のプロテストに合格。21年11月に日本ライトフライ級王座、22年7月に東洋太平洋、WBOアジアパシフィック同級王座を獲得しアジア3冠達成。24年10月、WBO世界同級王座獲得。身長163センチの右ボクサーファイター。

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