卓球女子で2021年東京五輪金メダルの伊藤美誠(スターツ)が15日、長野・千曲市で自身の名を冠したジュニア大会「伊藤美誠杯 ワールドチャレンジ」を開催し、小、中学生男女221人が参加した。試合の合間に行われた講習会では、東京五輪でペアを組んだ水谷隼さんと約1年ぶりの“タッグ”を組んで世界一をつかんだ熟練の技を伝授した。

 「みまじゅん」ペアの登場に大歓声が上がった。昨年大会以来に再会し、冒頭で肩慣らしのラリーを始めると、子供たちが前のめりになって見つめた。伊藤は「昨年の大会を終えて(参加者に)アンケートを書いていただき、より良い大会を、と思ってやってきた。この大会に出ると選んでくれたことに感謝しているし、試合で試したり、力を上げるためになっていたら。また、楽しいイベントになっていたらいいな」と振り返った。

 2歳の終わりに始め、卓球歴は約23年。歴1年の小学生女子にサーブを伝授。台から少し顔がのぞくぐらいの女の子の目線に立って強く回転をかける上での助言を送ると、球筋が変わった。表ソフトラバーを自在に操る伊藤は、レシーブでの意識も工夫を凝らしているといい「(相手のサーブの)回転を利用して返したり、逆らって打ち返したり」と絶妙な打球点の位置など繊細な感覚まで包み隠さずに教えた。

 講習会でも水谷氏が手本でサーブを出すコースが違い、伊藤にツッこまれるなど、“チームワーク”が見られた「みまじゅん」。大会後の囲み取材でも、水谷氏がフィギュアスケートのペアでミラノ・コルティナ五輪金メダルの三浦璃来、木原龍一組こと「りくりゅう」ペアの関係性が話題になっていることにかけ「僕たちはビジネスパートナーです。引退後もプライベートでの交流は一切ないですね」と言うと、伊藤も「LINEはブロックではなく、消去しています」と明かし、同調した。

 子供たちから大拍手をもらったが「りくりゅう」の登場に危機感も。ペアとしての今後について、水谷氏は「りくりゅうペアが出てきたら、俺らもう需要ないから」と冷静に語り、伊藤も「その瞬間だけ。需要があったのは」とうなずいた。ただ、この日も現役選手の伊藤と、引退して一歩離れて卓球を見る水谷氏のタッグで指導は内容が充実していた。同氏は「現役で見えている世界と引退して見せる世界は違う。今日もお互い教える視点が違ったけど、両方が選手にとっていい情報だと思う。忘れられない思い出になってくれれば」と願った。

 やはり日本卓球界の歴史を動かす五輪金メダルに輝いた「みまじゅん」のペアのチームワークはお墨付き。伊藤は来年も水谷氏へのゲストのオファーを示唆し「そこはお願いしたいです」と言えば、水谷氏も「考えます」と話した。伊藤自身が「現役選手のうちに(世界で戦う)プレーを見せたい」との願いから、3年目を迎えた伊藤美誠杯。子供たちの間でも「みま杯」と呼び名も定着しつつあり、「運営スタッフも含め、本当に多くの方が動いて下さって感謝しています。4年目、5年目と頑張って行きたい」と大会会長として決意。

将来の金メダリスト育成にも尽力していく。

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