巨人のドラフト1位・竹丸和幸投手(24)=鷺宮製作所=が27日・阪神戦(東京D)で開幕投手を務めることが16日までに決まった。「開幕は竹丸で行く」と阿部監督が明言した。

新人投手が開幕戦で先発するのは球団では1962年の城之内邦雄以来、64年ぶり3人目。勝ち星を挙げれば球団史上初の快挙だ。山崎伊織投手(27)の右肩コンディション不良による離脱もあり、ここまで実戦13イニング無失点と結果を残してきたルーキーが昨季投手3冠(最多勝、最高勝率、最多奪三振)の村上との投げ合いに挑む。

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 ルーキーが大役を任された。チームの命運を握る「3・27」。開幕投手に抜てきされたのは、ドラ1左腕の竹丸だった。新人が開幕戦で先発するのは64年ぶり3度目で、勝利すれば球団史上初の快挙となる。

 「しっかり投げたいなと思います」

 期待や不安―。入り交じるすべての思いを短い言葉に込めた。

 14日に行われた日本ハムとのオープン戦(東京D)の試合前。内海投手コーチから監督室に行くよう声を掛けられ、向かった。「監督室に入った時に、少し察していた部分もあった」。

呼ばれた意味は理解していた。「開幕、行くぞ。思い切ってやってくれ」。阿部監督の言葉にも、大きな驚きはなかった。「頑張ります」と強心臓のルーキーらしく、二つ返事で受け入れた。

 結果を残し続けてきたからこその大抜てきだ。2月11日の紅白戦で実戦デビューを飾って以降、13イニング連続無失点。一度も崩れることなくここまで来た。そして最有力候補の山崎が右肩のコンディション不良で離脱。開幕投手の経験を持つ田中将や則本、戸郷らもいる中で防御率0・00の左腕に白羽の矢が立った。入団時から目標に掲げていた「開幕ローテ入り」が、最高の形で実現。「しっかり抑えたい。

できることは限られているので、自分ができることをしっかりとやりたい」と気を引き締めた。

 相手は王者・阪神。先発は昨季投手3冠の村上だ。少年時代には、きっとこの運命を予想できなかっただろう。父の影響で、小さい頃は虎党。金本、能見など数々のレジェンドに憧れ、プロの舞台を夢見てきた。そんなチームを相手にプロ初登板先発、それも開幕戦だ。「ファンでしたけど、そこはもう関係ない」。もちろん父にも報告。「(自分の応援をしてくれる)はずですけどね。しなきゃダメですよね」と無邪気に笑う余裕も見せた。

 昨季、リーグ覇者の阪神には8勝17敗と大きく負け越し。

V奪回へ、ただの1試合でないことは十分理解している。「強いチームなので、やっぱり最初が大事。もちろん勝ちたいし、自分がいい投球をして勝てればなおさらいい」。この日はG球場で先発練習に参加。ブルペンでは50球を投げ、順調な調整ぶりを披露した。「緊張はまだ全然ない。実戦が始まってからいい感じでずっと来ているので、いいところは変えずに。あとはもう少し、精度を上げていけたら」。3月27日。“WBCロス”の野球ファンを驚かせる快投で巨人の歴史に名を刻む。(北村 優衣)

 ◆巨人最近5年の開幕投手

21年 菅野智之 -6回3失点 DeNA

22年 菅野智之 ☆6回2失点 中日

23年 ビーディ ー6回2失点 中日

24年 戸郷翔征 ☆6回無失点 阪神

25年 戸郷翔征 -5回4失点 ヤクルト

※☆は勝利投手、全てホーム

 ◆竹丸 和幸(たけまる・かずゆき)2002年2月26日、広島市生まれ。24歳。

崇徳では甲子園出場なし。城西大では2年春に首都2部リーグデビュー。4年秋に1部に昇格して3勝1敗、防御率1・52(リーグ2位)の成績を残す。鷺宮製作所では昨年3月の「JABA東京大会」でJFE東日本との準決勝に先発し、8回2失点と好投するなど優勝に貢献。変化球はチェンジアップ、スライダー、カーブ、カットボール。179センチ、76キロ。左投左打。年俸1600万円(推定)。

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