今季限りで現役を退くことを表明していたノルディックスキー複合で五輪3大会連続メダルの渡部暁斗(北野建設)が17日、羽田空港に帰国した。

 家族が欧州までかけつけた現役最後の試合だった15日のW杯オスロ大会(ノルウェー)は38位。

複合関係者だけでなく、ジャンプ代表も現地で見守るなか、複合界のレジェンドは現役生活に別れを告げた。空港では「たくさんの愛と敬意を感じた最後の一日でした。言葉に言い表せないくらいうれしかった。幸せな競技人生だったなと思う」と感慨深そうに話した。

 25年10月の会見で現役引退を正式に表明した。昨季24~25年シーズンの途中、古典の「徒然草」の現代語訳を手にし「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは」という一説に自分の競技人生を投影させ、退路を断ってラストシーズンに挑み、2月のミラノ・コルティナ五輪は、個人ノーマルヒル11位、ラージヒル19位、山本涼太(長野日野自動車)と組んで挑んだ団体スプリントでは6位に入った。

 今後については「20年走り続けてきたので少し立ち止まる時間もあってもいいのかな」と明言はしなかった。指導者の道を聞かれると「それはないですね。なぜかというと遠征に行きたくないからです」とこちらはきっぱり否定した。記録にも記憶にも残る複合界のレジェンドは、静かに競技人生の幕を下ろした。

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