◆ファーム・リーグ西地区 阪神1―2オリックス(17日・日鉄鋼板SGL尼崎)

 阪神のドラフト1位・立石正広内野手(創価大)が右足の肉離れから実戦復帰し、1打席目で“プロ初安打”を放った。「5番・DH」でスタメン出場。

名前がアナウンスされると、場内からひときわ大きな歓声が上がった。ネクストバッターズサークルで確かめるようにバットを振ると、昨年11月以来となる打席に足を踏み入れた。2回無死一塁、カウント1―1からオリックス・片山の変化球をフルスイングで捉え、左前に運んだ。「反省はあるけど、変化球に対してもある程度、振れた。これからプラスになると思う」と冷静に振り返りつつ、初安打に「うれしかったです」と、笑みをこぼした。

 2か月に及ぶリハビリを乗り越え、実戦に復帰した。1月17日の新人合同自主トレで、ベースランニング中に右足の肉離れを発症。段階を踏みながら、調整を重ねてきた。“プロ初安打”後は2回1死一、二塁の二塁走者として、コンスエグラの左前適時打で生還。負傷したきっかけの走塁で全力疾走を披露した。「一番はけがなくできたら良かったと思うんですけど、段階を踏んで、実戦にデビューできたことはいろいろな人に感謝です」と、しみじみと思いを口にした。

 同学年の活躍が活力になった。

11日に嶋村が支配下登録された。ドラフト2位の谷端(日大)は主力中心の宜野座組でキャンプを完走、14日の広島戦でドラフト3位の岡城は1軍初スタメンをつかんだ。「同学年の選手が、すごく活躍している。変なねたみが生まれても将来プラスにならない。いい影響をもらえた」。故障で出場機会は失ったが、得たものもあった。「シーズンは本当に長い。試合数が多い中で、ここが張っているなという傾向など、この期間でかなり自分を知れた」と、自身の体と向き合い続けたことで、再発防止のきっかけをつかんだ。

 チームは、合流の遅れている立石に最大限の配慮を続けた。沖縄キャンプではリハビリ中にも関わらず約1週間、主力中心の宜野座組でトレーニングを行う機会を設けた。さらに、2026年初の伝統の一戦となった8日の巨人戦(甲子園)では、出場予定はなかったが、異例のベンチ入り。「けがをしている中で、1軍のベンチで試合を見るなんて普通だったらありえない。

周りの方々や環境が、すごくいい思いをさせてくれたことに感謝したい」。球団からの思いや期待をひしひしと感じ、「どんどん上で活躍したい」と意欲を見せた。虎党が待ちわびた、黄金ルーキーが次なる段階へ足を踏み入れた。(藤田 芽生)

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