◆WBC 決勝 米国2―3ベネズエラ(17日・米フロリダ州マイアミ=ローンデポパーク)

 第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝が17日(日本時間18日)に米マイアミのローンデポパークで行われ、ベネズエラが米国に競り勝って初優勝した。同点の9回に無死二塁からE・スアレス(レッズ)が左中間へ適時二塁打を放って勝ち越しに成功。

準々決勝で日本を破った南米の雄が、悲願の頂点に立った。17年大会以来の優勝を狙った米国は2大会連続での準優勝となった。

 歓喜の瞬間、マイアミが地鳴りのような歓声で揺れた。1点リードの9回2死。ベネズエラのパレンシア(カブス)は空振り三振を奪うと、グラブを高々と放り投げた。前回23年大会では準々決勝で敗れた米国に競り勝ち、初制覇。青いユニホームがマウンド近くで重なり合い、歓喜の咆哮(ほうこう)を上げ、皆が目を潤ませた。「この瞬間をずっと夢見てきたんだ」と無給で指揮を執ってきたロペス監督も男泣き。まるでホームのように球場を埋め尽くした三色の国旗が、激しくなびいた。

 道のりは険しかった。2点をリードして迎えた8回に米国のハーパー(フィリーズ)に同点2ランを被弾。試合の流れを持っていかれかけた。

だが踏ん張った。直後の9回。プレーごとにナインがベンチから観客をあおるように腕を上げて得点のムードを醸成すると、無死二塁からE・スアレスが左中間へ決勝の適時二塁打を放った。前回23年大会王者の日本を準々決勝で破った勢いのままに、スター軍団の米国を倒した。

 23年にメジャーで41本塁打&73盗塁のアクーニャ(ブレーブス)ら実力者ぞろいのチーム。どこからでもアーチが飛び出すパワーを持ちながら、それだけに頼らない。準決勝で対戦したイタリアのセルベリ監督が「足でプレッシャーをかけられた」と脱帽したように、盗塁やヒットエンドランを積極的に仕掛け、時には犠打も駆使。日本戦では6回のアブレイユの逆転3ランの直前にエンドランで揺さぶり、決勝でも勝ち越し打の前にサノハが二盗を決めていた。MVPを獲得したガルシアは「細かいことを積み重ね続けた。チャンピオンシップを勝ち取ることができた理由はそれ」と誇る。勝負の神は細部に宿っていた。

 1月に米軍がベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領を拘束。

国内の政情不安に伴って一時は不出場の可能性もあった中で、祖国に歓喜を届けた。18日(日本時間19日)は「国民の祝日」になった。「ベネズエラの皆さんに言いたい。これは君たちの勝利」と喜んだ指揮官。ついにたどり着いた頂点。プライドを胸に戦い抜き、新たな歴史を切り開いた。(宮内 孝太)

 ◆ベネズエラの過去大会

▽第1回 2次ラウンド敗退

▽第2回 準決勝敗退

▽第3回 1次ラウンド敗退

▽第4回 2次ラウンド敗退

▽第5回 準々決勝敗退

▽第6回 優勝

 ◆WBC歴代優勝国

06年 日本

09年 日本

13年 ドミニカ共和国

17年 米国

23年 日本

26年 ベネズエラ

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