大相撲春場所12日目(19日、エディオンアリーナ大阪)

 関脇・霧島(音羽山)が横綱・豊昇龍(立浪)を撃破し、3度目の優勝と大関復帰へ近づいた。1差で追う豊昇龍(立浪)との立ち合いで気迫を全面に押し出した。

張られて右を許したが、左上手をがっちり握った。寄られたが、耐えて豪快な上手投げで10連勝。息も絶え絶えに40本の懸賞を手にし、「最後まで諦めずにやれてよかった。頑張った」。八角理事長(元横綱・北勝海)は「(左上手が)命綱だった。よく攻めていた」とうなった。

 1場所目は前頭2枚目ながら、大関昇進の目安とされる直前3場所合計33勝を達成。優勝すれば現行のかど番制度となった1969年名古屋場所以降、大関から降下した場所での10勝以上という特例以外で復帰すれば、魁傑、照ノ富士に続いて3人目。看板力士復帰がぐっと近づいた。それでも「一番、一番またしっかりやっていきたい」と無欲を強調した。

 伏線があった。大阪・堺市での朝稽古で稽古場に白蛇の抜け殻を発見。

「金運・財運」のご利益があるとされる縁起物。しかも脱皮を繰り返すことから「再生」を意味し、大関陥落から再昇進を成し遂げようとする霧島にぴったりだ。「テンション上がっちゃった。巾着に入れようかな」と笑顔がはじけていた。

 幕内後半戦の九重審判長(元大関・千代大海)は「優勝に近づく1日だった。優勝経験があるので独走態勢が取れるのでは」と大本命であることを明かした。土俵下で見つめた師匠の音羽山親方(元横綱・鶴竜)は「信じて先に行こうとした。でも、自分が出ている方が楽」と胸をなで下ろした。霧島は「まだ3日もあるから」と浮かれた様子はなし。白蛇パワーの後押しも受け、さらに白星を重ねていく。

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