大相撲 ▽春場所12日目(19日、エディオンアリーナ大阪)

 関脇・霧島が横綱・豊昇龍を上手投げで破り、1敗で単独首位を守った。3度目の優勝へ大一番を制し、平幕起点ながら、大関昇進の目安とされる直前3場所合計33勝にも到達。

場所後の大関復帰の可能性を高めた。横綱初Vを目指す豊昇龍は3敗に後退。西前頭5枚目・琴勝峰は西同筆頭・義ノ富士をはたき込んで2敗をキープ。霧島を1差で琴勝峰、2差で豊昇龍、豪ノ山が追う。

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 霧島は頭で当たって左上手を素早く取った。これが勝因でもある。左に回って頭をつけて、さらに左へと回った。最後は豊昇龍の両足の間に左足を入れて、上手投げを決めた。流れは完全に霧島、余裕もあった。

 横綱を倒しての11勝目は大きい。大関への道は数字も必要だが、それ以上に内容が重要視される。麻雀でいうなら“イーハンアップ”だ。

大関復帰に限りなく近づいたと言えるが、残り3日の相撲も大事になる。横綱を倒して気を抜いてしまうと審判部への印象が悪くなる。霧島の“眠れない夜”は続く。

 豊昇龍の敗因は立ち合いの張り差しだと思う。「張り差しはやめるべきだ」という声が出ているのは、豊昇龍の耳にも届いているはず。肩を落として花道を引き揚げる背中に治療の痕が残っていた。私の想像だが、首を痛めていて、頭から当たれなかったのかもしれないと思ったほどだ。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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