日本バレーボール協会(JVA)の担当者が、海外出身の女子選手が日本国籍を取得する際に虚偽の上申書を作成した問題で、川合俊一会長(63)が19日、都内で会見を開き「管理できなかったことは重く受け止めないといけない」と謝罪し、経緯を説明した。

 上申書は国籍取得の過程で特定の事情を国に説明するもの。

虚偽の上申書について、川合氏は10日に把握した。昨年6月に上申書案を作成して処分を受けた協会幹部とは別に、女子代表を担当する業務委託と外部の2名以上が協会名義で作成。関係者によると、事実と異なる内容で法務当局に提出されたとみられる。

 関係者に聞き取りを進める中で「2つの上申書がある」と新事実も明らかにした。1つは10日に把握した虚偽のもの。もう1つは協会職員の署名入りでこの日、知ったという。24年6月に帰化申請で提出した上申書は「どちらが出されたのか調査中」とした。

 近日中に第三者委員会を発足させ、経緯や提出された文書などを調査する。上申書には協会職員とチーム関係者の署名、協会名義の押印があったが、協会職員は虚偽の上申書にサインしたことは否定。コピーなど不正の署名や印鑑が使われた疑いもあり、調査次第では法的措置も検討していく。

 川合氏は「全く把握していなかった」と組織的な関与は否定。しかし、トップとしての責任は大きく「隠蔽(いんぺい)せず、公表する。

今後、二度とないように打開策をつくっていくのが私の仕事」と受け止めた。

問われるトップの姿勢

 日本協会の組織としての意識の低さが伝わる会見だった。川合会長は10日に虚偽の上申書の存在を把握したという。問題は18日に公になったが、会長が把握してからこの日まで10日間、調査できる期間があった。関係者に聞き取りを行ったというが「国籍変更関連事案に関する上申書提出報道についての報告」と題した会見で、文書作成に関与した人数すら正確に把握しておらず、歯切れの悪い回答が続いた。

 2つの上申書のうち1つの内容については「僕は見ていない」と、まるで他人事のようで、初めて読んだ様子だった。昨年に虚偽の上申書案の作成で会見し「組織の改善」を掲げたが、またしてもほころびが出た。協会トップとしての姿勢が問われる。

 ◆バレーボール協会の文書偽造問題経過 選手は2018年から日本でプレー。代表入りのため、帰化申請手続きを支援していた日本協会が24年5月、虚偽の上申書を作成。選手の所属チームが拒否したため一度は取り下げた。しかし、同6月に協会名義で再び上申書を作り、法務局に提出。

帰化申請は許可されたが、25年6月に虚偽問題が判明。作成した担当者はけん責処分に。今月18日、虚偽の上申書が法務局に提出された可能性が公になった。選手は、国際連盟が23年に規定改定したことを日本協会が見逃していたことにより、母国から日本代表への変更を認められなかった。

編集部おすすめ