大相撲 ▽春場所12日目(19日、エディオンアリーナ大阪)

 関脇・霧島が横綱・豊昇龍を上手投げで破り、1敗で単独首位を守った。3度目の優勝へ大一番を制し、平幕起点ながら、大関昇進の目安とされる直前3場所合計33勝にも到達。

場所後の大関復帰の可能性を高めた。横綱初Vを目指す豊昇龍は3敗に後退。西前頭5枚目・琴勝峰は西同筆頭・義ノ富士をはたき込んで2敗をキープ。霧島を1差で琴勝峰、2差で豊昇龍、豪ノ山が追う。

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 大きな意味を持つ1勝だった。霧島が、1差で追う横綱・豊昇龍を破った。立ち合いで左上手をがっちりつかみ、寄られる場面もあったが、最後は豪快な上手投げで裏返した。息を切らしながらも、12日目最多の懸賞40本を握り締め「最後まで諦めずにやれた。頑張った」と胸を張った。

 故郷・モンゴル出身で同じ柔道場に通った豊昇龍とは、入門後も常に競い合ってきた。先に大関になったが、横綱昇進は先を越された。霧島は大関から転落と苦い経験もした。

「豊昇龍を見てるともう一回やってやりたい」と話すライバルを優勝争いの緊張感の中で撃破。賜杯レースで優位に立った。

 運気が上昇中だ。この日の朝稽古中に白蛇とみられる抜け殻を発見した。「金運・財運」の御利益があるとされるもの。脱皮を繰り返すことから「再生」を意味し、けがを乗り越えて大関返り咲きを目指す男にぴったりの縁起物だ。前回の大関昇進前にも蛇を見たことを明かし、霧島にとっては吉兆。「テンション上がっちゃった」と笑顔がはじけた。

 1場所目は前頭2枚目ながら、大関昇進の目安とされる直前3場所合計33勝を達成した。現行のかど番制度となった1969年名古屋場所以降、大関から降下した場所で10勝以上という特例以外で復帰するのは、魁傑、照ノ富士に続いて3人目の快挙。それでも「一番一番取ることが大事。気にしていない」と雑念を封じ込めた。

 幕内後半戦の九重審判長(元大関・千代大海)は「優勝に近づく一日だった。優勝経験があるので独走態勢が取れるのでは」と大本命に指名。霧島は「まだ3日もあるから」と浮かれた様子はなし。白蛇の御利益で白星を重ね、3度目の賜杯を抱く。(山田 豊)

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