動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」で独占配信されたWBC。中継のなかったテレビ朝日・清水俊輔アナウンサーが「やっぱり実況したかった」などと率直な思いを吐露した。

 20日までに自身の「note」を更新し、「実況できなかったWBC 局アナにとっての『大前提』」と題した文章を投稿した。清水アナは過去に2023年WBC決勝や、2019年プレミア12決勝での侍ジャパンの優勝などを実況。実力派のスポーツ実況アナだ。

 「実況しないWBC。私にとって初めてのことでした」と今回の大会についてつづる。「毎回大会が終わるたびに、『絶対に次もWBCを実況する』、『そこに選ばれるように日々を過ごす』、そう強く誓ってきました。それは、今回叶わなかったわけです」。ネトフリの独占だったため、テレビ朝日で中継はなかった。「さて、今回WBCの実況ができなかったことをどう感じているか。もちろん、ものすごく残念で、がっかりしました。実際に試合を観ながら、やっぱり実況したかった、という思いになりました。時に感傷的になり、気持ちが落ち込むこともありました」と素直な心境を明かす。

「ただ一方で、ものすごく冷静にその現実を受け止めている自分もいました」という。

 その理由については「私は言うまでもなく、テレビ朝日のアナウンサーです。テレビ朝日で中継しないのであれば、実況できないのは当然です。あまりにも当たり前の事実。しかも、テレビ朝日が中継するかどうかを決めるのはアナウンサーではありません。つまり、自分ではどうすることもできない。(最近は「請け負い」という形で他の媒体で実況するケースもありますが)」と説明。そして「WBCの中継はするけれど、今回は清水ではない他のアナウンサーが実況に任命される。この状況の方が、よっぽどショックです。そして、これは完全に『自分のせい』であり、実力不足であり、そこに反省や後悔が生まれます」と悔しさをにじませた。

 これまでWBCの他にもプレミア12、日本シリーズ、オールスター、夏の甲子園などの大舞台の実況を担当。「実力どうこうではなく、とにかく幸運です」と謙虚につづり、「ある大会や試合を中継することになれば、どのアナウンサーがその実況を任されるかが決まっていきます。

日ごろから結果を出していないと、大役は回ってきません。そういう意味では、特に大きな試合を実況するにはもちろん実力は必要です。ただ、自局が中継するという大前提がなければ実力どうこうという話にすらならない。大きな試合や大会を実況するためには実力は必要ですが、そもそもの『大前提』がなければどうにもならない」と、試合中継があることが前提だと述べた。

 「これまでも大きな大会や試合を実況するたびに、頭の中のどこかで『これが最後になるかもしれない』と思ってきました。自分の実力や希望に関係なく、大前提の部分が崩れる可能性は十分あることを知っているからです」と、中継があることが当たり前だとは考えていなかったという。前回のWBC時にも「またWBCの放送席に座れる保証はどこにもありません」と感じていたそうだ。

 その“大前提”が崩れてしまった今年のWBC。「今回、座れませんでした。3年間、自分なりの努力をして、その時を待ったけれど、縁がなかった。そんな風に捉えています」と悔しさを消化。「次回のWBCに向けて実況できなかったWBC。

初めての経験の中で考えたこと。これまで『大前提』に恵まれてきたことへの感謝。それは当たり前ではないと改めて痛感できたことが収穫」と記し、「次回のWBCで放送席に戻れるかどうかは、当然分かりません。戻りたいという強い気持ちは持っていますが、戻れるかもしれないし戻れないかもしれない。『大前提』に恵まれたとき、実力不足でチャンスを逃すこと。これだけは避けなければいけない。自分なりの努力をして、その時を待ちます」と誓い、「実況しなかった2026年のWBC、決勝翌日、率直な思いを綴りました。ここまで読んでいただきありがとうございます。最後に、もっと率直な思いを端的に。やっぱり、あの放送席に戻りたいなぁ(笑)」と長文を締めくくった。

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