◆オープン戦 巨人2―1楽天(20日・東京ドーム)

 開幕投手を務める巨人のドラフト1位・竹丸和幸投手(24)=鷺宮製作所=が上々の最終調整を終えた。楽天戦に先発して、5回85球で3安打1失点。

プロ入り後初となる本拠・東京Dでの登板で、最速149キロの直球を軸にして6奪三振。2回、浅村にプロ初被弾&初失点となる左中間へのソロを浴び、実戦の連続イニング無失点は「14」でストップしたが、27日の開幕・阪神戦(東京D)に向け、新人らしからぬ堂々の投球だった。

 イニングと球数を重ねても、竹丸の球のキレは衰えなかった。5回2死一塁、カウント1―2。宝刀・チェンジアップに中島のバットが空を切ると、何事もなかったかのような表情でマウンドを降りた。プロ入り最多の85球を投げ、5回3安打1失点。「ストレートの走りだったりは前回、前々回の方がよかった。その中でも両サイドに投げ分けられたので、そこはよかった」。新人ながら託された開幕マウンドを前にした最終登板を納得の形でまとめ上げた。

 気持ちを切り替えた。0―0で迎えた2回。1死から浅村に左中間ソロを被弾してプロ初失点。

連続無失点記録は14イニングでストップした。それでも強心臓のルーキーは崩れなかった。「そんなに気にすることなく、うまく次の打者に入れたと思います」。続く宗山を遊飛に打ち取ると、ゴンザレスを148キロの高め直球で空振り三振に仕留め、最少失点で切り抜けた。阿部監督も「初めて失点しましたし、一発プロのすごさを感じられた、収穫のあった登板だったんじゃないですかね」とうなずいた。

 来たる3・27に向け、試していることもあった。この日は「確認も含めて、変化球が今までより多かった」と、10日の前回登板では45%だった変化球の割合は53%に上昇。直球とのコンビネーションを試しながら6Kを奪うなど本番を想定しながら結果も残した。

 一方で、ドキドキの一幕もあった。リーグ戦を想定した、DHを使わない試合だったため、2回にはプロ初打席を迎えた。本格的に打席に立つのは崇徳高3年以来、約7年ぶり。2死一塁の場面だったが、あえて“犠打”をテスト。

カウント1―0から荘司の148キロを正面に完璧に転がし「本当にバットに当たってくれてよかった」と笑みをこぼした。

 大役を務める反響は大きい。報じられたのは17日の朝。起床すると、スマホには数え切れないほどのメッセージが届いていた。「結構、ライン来ましたね。(件数は)ちょっと数えてないですけど…だいぶ来ました」。新人では球団64年ぶりの偉業。立場を実感し、思わず身が引き締まった。

 開幕戦は目前。阿部監督は「大役を任せたのは僕ですから。負けたら僕の責任だと思って、思い切って投げてほしい」と左腕を鼓舞した。「しっかり体の状態を上げていい形で開幕戦を迎えられるように、あと1週間やりたいなと思います」。

心身ともに万全の準備を整え、昨季のリーグ覇者・阪神打線に立ち向かう。(北村 優衣)

 〇…竹丸は映画「ワイルド・スピード」シリーズの主題歌「TOKYO DRIFT」に包まれながらマウンドに登場。「登場曲、なくてもいいかなと思ったんですけど…それはちょっとあれなので。テンポのいい曲をということで、あの曲になりました」。全て見ているという映画のリズミカルな楽曲に気持ちを乗せ、開幕の予行演習を終えた。

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