大相撲 ▽春場所13日目(19日、エディオンアリーナ大阪)

 関脇・霧島が王鵬を寄り倒し、1敗で単独首位を守った。ただ1人2敗だった平幕の琴勝峰は横綱・豊昇龍にはたき込まれた。

14日目に霧島が大関・安青錦に勝つか、負けても3敗の豊昇龍と琴勝峰がともに敗れれば、2023年九州場所以来、14場所ぶり3度目の優勝が決まり、大関復帰にも大きく前進する。

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 激闘を制し、14場所ぶり3度目の賜杯を手にかけた。突き放そうとする王鵬に体を寄せ、いなされてもすぐに体勢を立て直す。最後は左をのぞかせて寄り倒し、約25秒に及んだ一番をものにした。先場所敗れた難敵を下し、「無理して出ないようにした。最後まで我慢できた」。今場所は近年苦しんできた首痛が出ず、動きの良さが際立つ。取組後は連日、焼肉やステーキを食べており、長めの相撲にも「そのおかげかな」。支度部屋では豊昇龍に「もう大関だな」と声をかけられたほどだ。

 2敗の琴勝峰が敗れ、13日目を終えて2差に広がった。ここから逆転優勝された例は、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、一度もない。14日目に霧島が大関・安青錦に勝てば自力V。

負けても3敗の豊昇龍と琴勝峰が、ともに敗れれば優勝が決まる。それでも霧島は「まだ。2番ある」と浮かれた様子はみせなかった。

 入門した陸奥部屋で師匠として2度の優勝に導いた陸奥親方(元大関・霧島、現・音羽山部屋付き)も期待。23年夏場所後にしこ名を譲り「大関に戻るだけではなく、もう1つ上を目指してほしい。横綱になるようにプレッシャーをかけているよ」と話す。愛弟子は前回は大関在位6場所、24年5月の夏場所後に陥落したが、「1回落ちるのはいい勉強」とリセットし、鍛錬を積んできた。

 大関復帰も見えた。1場所目は平幕ながら、大関昇進の目安とされる直前3場所合計33勝は前日の12日目でクリアした。大関復帰に審判部の粂川親方(元小結・琴稲妻)は大関復帰について「ちらほら出ている」。復帰すれば現行のかど番制度となった1969年名古屋場所以降、大関から降下した場所で10勝以上という特例以外で魁傑、照ノ富士に続いて3例目となる。「あまり考えずに迷わないのが一番」と霧島。

過去2度の優勝決定はともに千秋楽で、14日目に決まれば自身初だ。今場所の定番、肉料理に、この日は「シュラスコ」を挙げ、場所を後にした。(山田 豊)

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