中東情勢の悪化に伴う原油高が「衣料品」の価格に深刻な影響を及ぼし始めている。原料メーカーの日本ポリエチレンやプライムポリマーは4月1日納入分からポリエチレン全製品を「+90円/kg以上」値上げすると発表した。

この記録的な価格高騰は、学生服からスポーツウェアまで、合成繊維を使用する広範な製品の原価を急激に押し上げている。

 今回の値上げの直接的な原因は、ポリエチレンの基礎原料である国産ナフサ価格の異常な高騰にある。原料メーカー各社は、3月中旬のニュースリリースなどで「自助努力で吸収できる範囲を超えた」と表明した。今年1月に実施された価格改定にさらに上乗せされる形での、極めて異例の大幅値上げとなった。

 値上げの影響を受ける制服やアパレル関連

 ▼学生服・ユニホーム

 耐久性や防シワ性のためにポリエステルを多用。生地だけでなく、樹脂製ボタン、襟や肩の形を保つ接着芯地、滑りを良くする裏地、洗濯表示タグやブランドラベルまで、合成樹脂が使われているため、原価の押し上げが避けられない。

 ▼スポーツウェア・機能性インナー

 ポリエステル100%で作られることが多い吸汗速乾ウェアは、繊維原料の価格改定の影響を最も強く受ける。また、ウィンドブレーカーなどのはっ水ジャケットも、表地コーティングや繊維に同素材が使われている。

 ▼カジュアル衣料

 フリースや中綿ジャケットといった合成繊維製品全般、表面コーティングに樹脂を用いる合成皮革(フェイクレザー)も原価高騰の波にのみ込まれている。

 大手学生服メーカーが今春の新入生向けに提示する「約10%の値上げ」は、実は昨年末時点でのコスト増を反映したもの。今回発表された4月からの原料高騰は、今後発注される夏服、冬服、追加購入時品の値上げに直結するリスクが高く、アパレル業界内では強い警戒感が広がっている。

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