◆センバツ第3日▽1回戦 日本文理8―1高知農(21日・甲子園

 高知農は日本文理(新潟)に大敗し、春夏通じて初の甲子園で初勝利はならなかったが、確かな爪痕を残した。初回1死、2番・西岡和真左翼手(3年)が左中間へ二塁打。

同校の聖地初安打を刻むと、次は4点差を追う4回だ。1死一、三塁、6番・栗山典天(のあ)右翼手(3年)が右前適時打を放ち、甲子園初得点を挙げた。敗戦後、下坂充洋監督(33)は「同じ境遇の学校が、これを機に(今後へ)つなげていけるような1点になればいいなと思います」と力を込めた。

 2021年には部員3人だった同校野球部。廃部危機や連合チームでの出場を乗り越え、現在は21人。女子マネジャー3人を除くと、選手は18人だ。農業高校で実習が多く、平日は人数がそろわず実戦練習もままならない。だが、デメリットだけではない。甲子園初打点を記した森林総合科の栗山は「人数が少ない分、打撃練習では数多く打てます」と明かした。チームの初安打を放った食品ビジネス科の西岡も「その分、全員がそろう土日は連携を意識して練習しています」とチームワークに胸を張る。

 これで21世紀枠選出校は、一般枠選出校との初戦で25連敗。日本文理に甲子園常連校の強さを見せつけられた。

133球完投も10安打8失点を喫したエース右腕・山下蒼生(3年)は、父・真二さんが高知商の外野手で82、83年夏の甲子園に連続出場。背番号1は「『楽しめ』と父から言われていましたが、甲子園を楽しめました」と汗を拭った。最速は130キロ台だが「夏には140キロを投げられるようにしたい。全力で、ここに戻って来たい」ときっぱり。高知農ナインは聖地を踏みしめた自信を胸に、夏に向かって走り出す。(田村 龍一)

編集部おすすめ