◆オープン戦 巨人3―0楽天(21日・東京ドーム)

 巨人・坂本勇人内野手(37)が21日、楽天とのオープン戦(東京D)に「7番・三塁」で先発出場し、1号2ランを放った。6回の第3打席で内角直球をさばき、弾丸ライナーで左翼席へ運んだ。

4戦連続安打で打率を3割とし、球団単独2位となる18度目の開幕スタメンを決定的にした。チームは5連勝でオープン戦首位に浮上。22日の楽天戦(東京D)が最終戦となる。

 強烈な打球音は、開幕への号砲のようだった。坂本は一直線に左翼スタンドへ飛び込んだ白球を見届け、暗転したダイヤモンドをゆっくりと一周した。「ちょっと弾道も低かったんで、どうかなと思いましたけども、いい形で打てたのかなと」。4戦連続安打が試合を決める1号2ラン。千両役者の“開花宣言”に、東京Dはシーズンさながらのお祭り騒ぎとなった。

 1点リードの6回無死一塁。4球目の内角149キロ直球を左手一本のフォロースルーで振り抜いた。打球角度23度の弾丸ライナーが、滞空時間約3秒で左翼席へ突き刺さった。「オープン戦でインサイドをさばけたり、いい感じのヒットも出たりしてるんで、そこはすごくいいのかな」。

好調のバロメーターとも言える内角さばき。24年3月以来、オープン戦2年ぶりのアーチとして結実した。

 20年目の開幕へ、総仕上げと言える一発だ。オープン戦は打率3割前後をキープしていたものの、試合前まで全8安打が単打。「結果が出ないとスターティングメンバーに入れない」。定位置再奪取へ例年以上にアピールを意識していた中で、オープン戦32打席目で待望の長打が飛び出した。打率は3割。オープン戦を3割以上(10打席以上)で締めくくれば、3割4分5厘をマークした09年以来、17年ぶりだ。阿部監督を「まだまだやれるんだっていうのも感じますし、本人が強い気持ちを持ってやってくれている」とうならせ、球団単独2位となる18度目の開幕スタメンに当確ランプを点灯させた。

 会いたい存在もいた。「88年世代」の同学年で、ともに球界を引っ張ってきた楽天・前田健だ。「もちろんいい投手ですし、同世代でプロ野球を盛り上げていけたらいい」とリスペクトする盟友。

試合前練習中に歩み寄り、ストレッチしながら談笑した。前田健も17日の西武戦(ベルーナD)で6回無失点と順調な仕上がりを見せており、6月の交流戦で11年ぶりの対決が実現するかもしれない。

 チームは5連勝でオープン戦首位に浮上。開幕カードでは、坂本が7番でポイントゲッターを務める可能性もある。残り2本の通算300本塁打、同53本の通算2500安打と個人記録にも期待がかかるシーズンとなるが「まだまだやれると思ってやっている。ファンの方もすごく期待してくれてるのは感じてるので、それに応えたいなっていう、それだけです」。オープン戦は残り1試合。「3・27」へ、着々と準備を進める。(内田 拓希)

 ◆清水隆行Point 坂本はキャンプからずっとコンディションがいい。左腕が内角に投げ込んだクロスファイアーの内角149キロ真っすぐを、狙っていたわけではなく反応で打った。もともと、インコースのさばきは超一流だが、調子が悪いと差し込まれたりしてしまう。今は自分のイメージ通りにバットが出ていると思う。

左足のカベがしっかりして、下半身がうまく使えているから4回の左飛も、一瞬タイミングをずらされながら対応できていた。今の状態なら、4番・ダルベックのあとの5番を任せる選択肢もある。(野球評論家)

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