大相撲 ▽春場所14日目(21日、エディオンアリーナ大阪)

 大関・安青錦が関脇・霧島を意地の下手投げで破り、7勝7敗とした。初の綱取りに挑んだ今場所は前半戦で黒星が先行し、場所後の横綱昇進の可能性が消滅。

12日目に7敗目を喫し、カド番の危機に陥ったが、優勝した霧島を破っての2連勝で星を五分に戻した。千秋楽は横綱・豊昇龍と対戦する。新小結・熱海富士は西前頭5枚目・琴勝峰を押し出して9勝目を挙げ、新関脇昇進が濃厚となった。

 

 大関の意地を見せた安青錦が、フッと小さく息を吐いた。1敗で優勝争いの先頭を走っていた霧島との一番。負ければ相手の優勝が決まる状況にも「相手よりも自分のことに集中していた」と冷静だった。前傾姿勢で左の前まわしと、右の上手を引いて、頭をつけて密着。得意の形から力強く相手を引きつけて、右でひねりながらの下手投げで転がした。支度部屋では「中に入れて良かった」と、落ち着いた口調で振り返った。

 今場所は初の綱取りに挑んだが、中盤の3連敗などもあり、12日目終えた時点で5勝7敗と低迷。序ノ口デビューから14場所続けてきた勝ち越し継続と、来場所のカド番の危機にも立たされた。それでも13日目に琴桜、この日は霧島に連勝して踏みとどまった。

 入門後初めて壁に当たった21歳について、八角理事長(元横綱・北勝海)は「世の中うまくいかない時もある。こういう時があってもいい。本人はめげていないと思う。安青錦にしてみればこれで稽古に身が入るのではないか」と、さらなる成長の糧にすることを期待。安青錦自身も「今まで味わったことがない雰囲気、状況を味わっている。次につながるのではないかと思う」と前を向く。

 千秋楽は結びで横綱・豊昇龍戦が組まれた。勝ち越せるかどうか。来場所以降を左右する大事な一番にも「毎日の一番が大事なので、特に気にしすぎないように、今まで通りやっていけたら」。千秋楽翌日の23日には22歳の誕生日を迎える。過去にない例のないスピードで出世街道を歩んできた21歳の最後の日を、最高の形で締めくくる。(大西 健太)

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