大相撲春場所14日目(21日、エディオンアリーナ大阪)

 関脇・霧島は14日目に大関・安青錦に敗れたものの、自身3度目の優勝が決まった。大関から陥落後、平幕からの復活劇の裏には意識改革があった。

 角界屈指の稽古量で23年夏場所後に大関に昇進した。だが、24年春場所前の出稽古中に大関・琴ノ若(現琴桜)と「調子乗って取り過ぎて」と首を痛めて低迷。同4月に新設の音羽山部屋転籍後も、頭から当たれなくなっていた。同夏場所の2場所連続の負け越しで、大関から陥落。首痛の影響で今までの猛稽古はできなくなっていた。

 その焦りもあり、筋力アップに着手。ただ、ウェイトトレーニングに偏るあまり、自身が思い描く動きを見失った。転機は25年名古屋場所。大関復帰へ、関脇で2場所連続2ケタ勝利を狙ったが8勝7敗で勝ち越すのがやっと。見かねた音羽山親方(元横綱・鶴竜)、八代直也トレーナー(54)と話し合った。霧島は「もう負けられないし後がない」と強い覚悟を示した。睡眠時間を重視し、場所中の後援者との会食も1次会のみにし、ビールは2杯に抑えるようになった。

 トレーニングもモンゴル式を導入。昨年九州場所からモンゴル相撲の鍛錬で使うという90キロの砂袋を毎日、5回3セットで持ち上げて、体幹を強化。ぶれない立ち合いを取り戻した。さらに、八代氏の提案で股関節や足首の機能性を高めるだけでなく、ピラティスを稽古前に15~20分取り入れ、インナーマッスルを強化した。霧島は「数場所後に効果が出ればいい」と話していたが、今場所は土俵際での身のこなしで逆転するなど結果が表れた。

 モンゴル出身の音羽山親方が師匠を務めていることも大きい。八代氏によると「モンゴル語で細かいニュアンスが伝えられる」と指導に無駄がなくなったという。前回大関時代よりも格段に己に厳しくなった霧島が、千秋楽に勝って賜杯に花を添える。(山田 豊)

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