大相撲春場所14日目(21日、エディオンアリーナ大阪)

 関脇・霧島(音羽山)が14場所ぶり3度目の優勝を決め、大関復帰の可能性が高まった。大関・安青錦(安治川)の下手投げに屈して2敗目を喫したが、3敗で追っていた横綱・豊昇龍(立浪)、西前頭5枚目・琴勝峰(佐渡ケ嶽)がともに敗れた。

優勝争いの対象力士が3人以上で、14日目にそろって土がついてのV決定は年6場所制となった1958年以降で初の珍事。春場所は大荒れの結末になった。

 豊昇龍が浪速に“春の珍事”を呼び込んだといえる。霧島が膝から崩れて、豊昇龍まで背中から落ちるなんて誰が想像したか。横綱として千秋楽まで優勝争いを演じてほしかったというのが本音。負けられない一番で気持ちが切れてしまったとは思いたくないが、残念でならない。これが横綱の重圧なのかもしれない。

 立ち合いでがっぷり四つ。豊昇龍は横に動いて頭をつけようとしたが、琴桜にもろ差しを許した。最後は外掛けで足がもつれた。相撲が淡泊。しぶとさもなかった。

頭から当たれない立ち合いの弱さが悪い流れを引き寄せたといえる。首か背中が痛いのなら治さないといけない。どこも痛めていないのなら自分を見つめ直す必要があるだろう。

 優勝したものの、霧島も硬くなっていたのは事実だ。安青錦にしがみついていただけという印象。こちらも賜杯の重圧があったのかもしれない。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

編集部おすすめ