大相撲春場所千秋楽(22日、エディオンアリーナ大阪)

 14日目に関脇・霧島(音羽山)が14場所ぶり3度目の優勝を決めたことを受け、師匠の音羽山親方(元横綱・鶴竜)が喜びを口にした。エディオンアリーナ大阪での審判部業務後、「本当は勝って決めてほしかったけれど緊張感から解放された感じ」と胸をなで下ろした。

霧島が敗れ、2差の豊昇龍と琴勝峰が敗れて優勝が決まったシーンは堺市での部屋でテレビ観戦。年6場所制となった1958年以降、V争いの対象者3人以上が総崩れして14日目に賜杯が決まった例はなく、「全員負けて決まるのは珍しいですよね」とうなずいた。春場所前は大関・安青錦(安治川)と出稽古先で相撲を取るなど仕上げてきた。「13日目に王鵬を下して大きく可能性が出たかな」と振り返った。

 24年4月に部屋を新設し、霧島が転籍してきた。だが首や背中に痛みを抱え、同夏場所で2場所連続で負け越して大関から陥落した。その後はかつての強さを取り戻せなかった。陸奥部屋ではモンゴル出身の兄弟子と弟弟子の関係から師匠と弟子の関係に変わり、うまく意思を伝えられなかった。師匠も「才能ある人を陸奥親方(現部屋付き)から受け継いでこのまま腐らせてはいけないなと常に思っていた。宝の持ち腐れじゃないけど中途半端にしたくなかった」と悩んだ。

 霧島は以前のように稽古が出来ず、ウェートトレーニングに偏った筋トレを行ったが成績は改善せず。昨年秋場所は関脇で6勝9敗。

見かねて話し合いの場を設け、「中途半端な気持ちでやるのが一番ダメ」とカツを入れた。霧島は火がつき、モンゴル相撲から取り入れた90キロの砂を詰めた袋を持ち上げ、ピラティスなど新しいトレーニングも取り入れた。「いい意味で変わった」と同親方。8月に長男が生まれたこともあり「新しい家族、命が誕生したのが力になったのかなと思う。長男を抱っこして優勝の写真撮りたいという話をしており、力になった」とターニングポイントに挙げた。部屋を持って今月で丸2年が経つ。「自分自身勉強になった」と指導者として成長した。

 霧島の夢は入門時から横綱になること。同親方は「4月に30歳になるので浮き沈みしていてはいけない。この流れを3場所続けたことを毎場所続けてほしい」と期待した。

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