歌舞伎俳優の中村鴈治郎、中村壱太郎が23日、京都府のMOVIX京都で行われたシネマ歌舞伎「曽根崎心中」(4月10日から全国54館で公開)の完成披露上映会に出席した。

 日本映画の歴代興収記録を22年ぶりに更新した大ヒット映画「国宝」(李相日監督)にも登場した「曽根崎心中」をシネマ歌舞伎化。

2009年4月歌舞伎座公演を収録したもので、鴈治郎の父で壱太郎の祖父にあたる坂田藤十郎さんがお初役、鴈治郎が徳兵衛役で出演している。この日は成駒家の家の芸とも言える「曽根崎心中」の見どころや映画「国宝」のエピソードで大いに盛り上がった。

 鴈治郎は「今、映画『国宝』が話題になっていますよね。出演している横浜流星さんや吉沢亮さんたちが、役作りの手本として、僕らが渡したビデオが、まさにこの映像なんです。それが今回映画化された。彼ら2人の手本になったものを、皆様にスクリーンで見ていただけるということなんです」。さらに「6台のカメラの中から『父がきれいで可愛らしく映っているカットを使おう』とこだわって再編集しました。最高のものができたと思います」と胸を張った。

 鴈治郎は「『曽根崎心中』がシネマ歌舞伎になることを一番喜んでいるのは、たぶん父(藤十郎さん)ではないかと思います」。京都・南座「曽根崎心中物語」の午前と午後の公演を終えて駆け付けた壱太郎は「きょう3回目の『曽根崎心中』です(笑)。一番喜んでいるのは祖父だと思っていますし、今のこの(映画『国宝』からの)流れに改めて感謝したい」と愛嬌(あいきょう)たっぷりにあいさつした。

 最後のあいさつでは、壱太郎から「これがヒットすれば、また『曽根崎心中』を舞台にかけられる日が来ると信じています。

ぜひ4月10日から一人でも多くの方を誘って映画館に来てもらえたら」とメッセージ。鴈治郎は「とにかく、父・坂田藤十郎の姿が映像として残っていることは、私自身大変うれしく思います。皆様の目に焼き付けていただいて、ぜひ映画『国宝』以上のヒットを!」と力を込めた。

 出演は坂田藤十郎、中村鴈治郎、坂東竹三郎、松本錦吾、中村亀鶴、中村芝翫、片岡我當(敬称略)ら。作・近松門左衛門、演出・宇野信夫。

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