◆JERAセ・リーグ 巨人3―1阪神(27日・東京ドーム)
プロ野球が27日、各地で一斉に開幕した。巨人は球団64年ぶりの新人開幕投手を務めたドラフト1位・竹丸和幸投手(24)が昨季王者の阪神を相手に6回1失点と堂々の投球を披露。
歴史に名を刻んだ。竹丸はプロ初のお立ち台で、自分だけに注がれる大歓声を体いっぱいに感じた。「めっちゃうれしいです!」。6回3安打1失点でプロ初登板、初勝利。オープン戦最長の5回を超え、ウィニングボールを手にすると、「やったぜという感じ」。ポーカーフェースを崩して満面の笑みを浮かべた。
開幕戦の独特の雰囲気の中、重圧を背負ってマウンドに立った。「大学以来」という緊張も感じたが「どの打者にも勝負していけた」ときっぱり。
阪神は幼い頃に応援していたチーム。「最初は(応援が)すごいなと。投げている最中はあまり聞こえなかった。でも、不思議な感じでした。どちらかというと楽しく投げられた」と心地よさも覚えた。
忘れられない涙が2つある。一つは小学5年生の時。「最終回(6回)に逆転サヨナラ3ランを打たれて」。マウンドで悔し涙があふれ出た。
もう一つの涙は、背番号10だった崇徳3年夏の広島大会。中学時代も控え投手で実力に限界を感じ、高校で野球をやめると決意して臨んだ。4回戦の広島国際学院戦で先発し、4回1失点でチームは敗退。「ああ、野球人生が終わったな…」。涙が止まらなかった。人目もはばからず泣いた。
だが、当時の応武監督の強い勧めで、広島を離れ城西大での野球継続が決定。「野球、やめなくて良かったです」。一度は諦めたからこそ、その思いは強い。道を切り開いてくれた恩師への感謝、大好きな野球ができる喜びを力に変え、成長した。
前日には父・勝浩さん(64)から激励のラインが届いた。「力まずいつも通りで!」。「うん、分かった」。この日は両親、弟、祖母がネット裏からエールを送った。勝浩さんは50年来の阪神ファンだが、この日初めて巨人を応援。孝行息子は「さすがに褒めてくれるんじゃないですかね」。家族の応援が、快投の原動力になった。
ドラ1左腕が最高のスタートを切った。「これからもこういう投球を続けて、優勝、日本一に貢献できたらいいなと思います」。新たな巨人の中心に、竹丸がいる。
(北村 優衣)
◆竹丸に聞く
―初登板を振り返って。
「最初はちょっと緊張もあったんですけど、うまく入れた」
―お立ち台からの景色は。
「あれがきょう、一番緊張しました」
―自信になったところは。
「何球かですけど、真っすぐで空振りを奪えた。そこは良かった」
―6回79球の疲労。
「イニングは最長だった。球数は前回と一緒くらいですけど、ちょっと違う疲れは明日以降、出てくるのかなと思います」
―球団の歴史に名を刻んだ。
「それはすごいうれしいです」
―これまでの人生で何番目。
「一番です」
―6回の後に監督から声を掛けられていた。
「よくやったと。すごいなっていう言葉をいただきました」
◆竹丸 和幸(たけまる・かずゆき)2002年2月26日、広島市生まれ。24歳。崇徳では甲子園出場なし。城西大では2年春に首都2部リーグデビュー。










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