【ダンバートン(英国)26日=金川誉】サッカー日本代表は26日、グラスゴーでのスコットランド戦(28日・ハムデンパーク)に向け、当地でトレーニングを行った。MF佐野海舟(かいしゅう、25)=ドイツ1部マインツ=とMF佐野航大(こうだい、22)=オランダ1部NEC=は、スコットランド戦でそろって先発に名を連ねれば、佐野兄弟にとっては初の「兄弟同時スタメン」が実現する。

日本代表史上初の兄弟W杯に向け、大きなチャンスを迎える。

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 似ているようで、似ていない2人の兄弟が、そろって先発する可能性が高まった。英国遠征の2試合は大きく先発メンバーを入れ替える方針とみられ、MF佐野航は、MF南野、久保が負傷で不在のシャドー(1トップ後方のポジション)で先発濃厚に。一方でキャプテンのMF遠藤が負傷でいないボランチで、佐野海は守備のキーマンとしてピッチに立ちそうだ。

 NECで今季3ゴール8アシストと結果を出す佐野航。シャドーやボランチなど複数ポジションで躍動する弟は、兄との同時先発について「(歴史などは)後付け。あまり意識していない」と自然体を強調する。「昔は兄貴との1対1でボールが取れなくて守備が大嫌いだった。僕が攻撃、兄貴が守備が多かった。それで僕は攻撃が好きになった」と語る。当時は兄からボールが奪えず「それで守備は嫌いになった」と笑ったが、現在はオランダで力をつけ「今は守備も好きになったし、そこからの攻撃が自分の強み」と胸を張る。

 一方で兄・海舟は、スコットランドのキーマン、193センチの大型MFマクトミネイ(ナポリ)への警戒を隠さない。

「個人で負けないのは大前提。マクトミネイ選手は必ず潰さないといけない」と語る。弟・航大との関係は「ピッチに入れば兄弟という気持ちはない。ライバルだと思いますし、お互い自分のプレーを出すことに必死」と淡々と語る。それでも「弟のプレーは理解しているつもりなので、そこは生かしたい」とも口にした。

 昨年6月のインドネシア戦で海舟が先発、航大が途中出場で同時にピッチに立った。93年の三浦泰年、知良兄弟、06年の佐藤勇人、寿人兄弟など、代表で同時出場した選手はいるが、まだW杯の舞台を兄弟でともに味わった日本の選手はいない。学年が3つ離れているため、学生時代に同じチームでプレーすることはなかった2人。そして日本代表の舞台で交差する「佐野兄弟」の物語が、グラスゴーの地で始まる。

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 ◆W杯に同時出場した各国の主な兄弟

 ▽フランス代表エルナンデス兄弟 22年のカタール大会で、DF兄リュカの負傷により、初戦で弟テオが交代出場。兄弟で左サイドバックのポジションをつなぐ。

 ▽ベルギー代表アザール兄弟 背番10のMF兄エデンと、共に攻撃を牽引した弟トルガンが18年ロシア、22年カタールと2大会連続で出場。

 ▽ドイツ代表兄&ガーナ代表弟のボアテング兄弟 異母兄弟で、10年南ア、14年ブラジルと2大会連続で兄ジェロームと弟ケビン「ドイツ対ガーナ」の直接対決が実現。

 ▽コートジボワール代表のトゥーレ兄弟 兄DFコロ&弟MFヤヤは06年ドイツ大会より3大会連続で同時出場。同国の黄金時代を支える。

 ▽オランダ代表のデ・ブール兄弟 兄DFフランク&弟MFロナルドはサッカー界で最も有名な双子。98年フランス大会では共にベスト4進出に貢献。

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