◆JERAセ・リーグ DeNA2―3ヤクルト(27日・横浜)

 これ以上ない最高の笑顔だった。1点差を逃げ切った試合直後。

ヤクルト・池山隆寛監督(60)はコーチ、選手とハイタッチを交わした。「しびれるね~。最後は神頼みで念じていました」と豪快に笑った。

 60歳の新人監督の初勝利は98年の横浜・権藤博監督以来。忘れられないのが90年のユマキャンプのミーティングだ。故・野村克也監督がホワイトボードに最初に記した「耳順」(じじゅん)の2文字。孔子の論語にある「六十にして耳順(したが)う」。何よりも人の話をよく聞くことが大事という意味で、60歳の異称でもある。「まさか、その年齢になって監督になるとはね」。打順、継投はコーチ陣、スタッフと話し合って決める。この日も「8番・二塁」で先発起用した伊藤が逆転2ランを放ち、継投で接戦を制した。メジャーへ移籍した村上の穴は全員で埋める。

そんな意思が采配に表れていた。

 「記憶はすぐ忘れることがあるけど記録は残るから」とメモ帳に多色ボールペンで気づいたこと、思ったことを記している。「みんなのおかげでこの1勝は素晴らしい1勝になった」。記念すべき監督初勝利が力強くメモに記された。

(秋本 正己)

編集部おすすめ