◆JERAセ・リーグ 巨人0―2阪神(28日・東京ドーム)

 流れを変えようと、坂本勇人内野手(37)は必死でバットを出した。1点を追う5回1死一塁。

低めに沈む141キロツーシームをさばき、中前へ運んだ。今季5打席目での初安打に「それは本当に良かったですね」。20年連続安打は柴田勲、川相昌弘に並び球団2位タイに浮上した。

 数々の歴史を刻んできた場所で、新たな勲章も手にした。「6番・三塁」でフル出場。東京Dでの出場試合数が「1020」となり、阿部慎之助を抜いて歴代単独1位に立った。本拠地が開業した1988年生まれの背番号6は「東京ドームは毎年、たくさんのジャイアンツファンが入ってくれる。当たり前じゃないと感じる時もたくさんあります」。故障離脱やコロナ禍の無観客試合も経験しているだけに、感慨もひとしおだった。

 1年目の2007年7月12日の阪神戦(東京D)で阿部慎之助の代走でプロ初出場。今でもはっきり脳裏に刻む一歩目から、足かけ20年で重ねた金字塔だ。「そういう数字が出るたびに活躍しないと意味がないと思う。

1試合でも多く出られるようにしたい」とうなずいた。

 試合前に吉報が舞い込んだ。ベンチ裏でブルージェイズ・岡本のデビュー戦をテレビで観戦。メジャー初ヒットを見届け、自然と笑顔がこぼれた。「本当に楽しそうにやっているのを見たし、いいスタートを切れたんで。すごいレベルの高いところで大変なこともたくさんあると思いますけど、彼らしくね」とエール。「あんな笑顔でインタビューを受けているのを初めて見た。楽しそうだなと」と試合後に新しい仲間からスポーツドリンクをかけられる姿も新鮮に映った。

 チームは阪神・高橋に3安打完封負けで、開幕2連勝はならず。坂本は「もともといい投手というのは分かっていたんで。次はまたやられないようにチームとしてやらなきゃいけない」と早くも雪辱の炎を燃やした。14年ぶりの日本一奪回のため、東京Dのグラウンドに立ち続ける。

(内田 拓希)

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