◆JERAセ・リーグ 巨人6―12阪神(29日・東京ドーム)

 確信があった。最高の手応えが残るバットを、泉口は右手で高々と突き上げた。

「塁に出たいなと思って、一番いい結果になりました」。5―5で迎えた7回2死、阪神・及川の内角139キロツーシームを完璧に捉えた打球は右翼席上段で弾んだ。特大の1号ソロで、一時勝ち越しに成功した。

 広角に快音を連発した。初回1死一塁で左中間を破る二塁打を放つと、3回1死一、二塁では中前へ運んだ。「(相手投手の)左右関係なく打てるに越したことはない」と、3方向への3安打で今季チーム初の猛打。5回には四球を選んで4出塁と、長打とつなぎで3番打者の役目を全うした。

 海を越えたエールが心に響いた。開幕翌日28日の朝、目覚めてスマホを見るとブルージェイズの岡本から「開幕したな。頑張れよ」とLINEが届いていた。送信時間はカナダ・トロント現地時間の26日夜。メジャーデビュー戦直前に届いたメッセージに「和真さんも頑張ってくださいと思いながら『頑張ります』って送りました」。

練習時間の合間を縫って東京Dのベンチ裏で師匠のMLB初ヒットを見届け「和真さん打ちましたよ!」と笑顔でグラウンドへ飛び出した。チームは変わっても、師弟の絆は不変だ。

 開幕3連戦は10打数5安打と打線の核として存在感を示した。それでも再逆転を許してのカード負け越しに「最後に勝ちきれない弱さも多分あると思うので。まだ始まったばかりですし、次に向けてしっかり準備していきたいなと思います」と笑顔はなく、球場を後にした。新生巨人の中心として期待がかかる男は、頼もしさを増すばかりだ。(内田 拓希)

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