葛飾北斎を題材にしたノンバーバル舞台芸術作品「The Life of HOKUSAI」日本凱旋(がいせん)公演を前に、北斎役を務めるパフォーミングアーティストのサカクラカツミが30日までに、東京・墨田区の「すみだ北斎美術館」を表敬訪問、大久保純一館長と対談した。

 セリフなし、非言語のノンバーバルで体の動きと映像だけで表現する注目の舞台は2020年に制作。

新型コロナウィルスの影響で公演ができず、映像作品として世界に配信したところ、英国エジンバラ芸術祭で4つ星を獲得。22年には内閣府主催のクールジャパン・マッチングアワードを受賞し、翌23年のイタリアのボローニャでの初公演など世界7か国の芸術祭での公演を経て、北斎の命日でもある4月18日に浅草公会堂で待望の日本初公演を行う。

 舞台を控え、実現した対談では北斎にまつわる興味深い話の数々が飛び出した。空手で培った腰を中心とした体の動きで絵師を表現するサカクラが「日本らしさ、武道のようなものを感じてもらえるのでは」と話すと、大久保館長は「武道とか日本特有の動きだと『北斎漫画』の中に棒術とか出てきます」と紹介。サカクラも「『北斎漫画』の中に武道のシーンがあって、すごく細かいパーツまで描いている」「『北斎漫画』に描かれたことは日本の武道にとって大きな気づきを与えてくれた」と話し、白熱の対談は約1時間に及んだ。

 大久保館長からは、北斎が滝沢馬琴の手紙に「『北斎は気難しい』と出てきますけど、馬琴も気難しい。気難しい人から見て気難しいっていうのは、相当気難しい」という話や、北斎が作家として活躍したことにも触れて「いわゆる小説家として。文筆、文才もそれなりにあったと思います」などの話も披露。浮世絵を中心とした近世日本美術史の第一人者でもある大久保館長を前に、サカクラも「もっとお話したい。またこういう機会があれば」と話し、交流を深めた。

「The Life of HOKUSAI」の日本凱旋公演は4月18日(土)の1日限りで、15時30分開演と18時開演の2公演のみ。北斎の三女、葛飾応為ことお栄はコンテンポラリーダンサー・加藤花鈴が務める。

北斎の半生がライブパフォーマンスで描かれ、最新鋭のデジタルプロジェクションライブを融合した全く新しい手法で演出される舞台になる。

 対談で登場する『北斎漫画』は、すみだ北斎美術館で5月24日まで開催中の開館10周年の企画展第1弾「ひらけ、絵手本!『北斎漫画』エトセトラ」で閲覧可能。『北斎漫画』をはじめ、絵手本が影響を与えた作品とともに、北斎の魅力を感じることができる。

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